21日、自粛要請解除へ/島またぐ往来は当面自粛
新型コロナ対策で玉城知事
【那覇支社】政府が沖縄を含む39県で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を解除したことを受け15日、玉城デニー知事は県庁で会見を開き、県民や事業者に対する休業や活動自粛要請を21日から全面解除すると発表した。
玉城知事は「全ての県民が一丸となり取り組んだ成果が今回の解除につながった」と感謝の言葉を述べた。一方、「今回はあくまで感染の第1波で、長丁場の戦いが必要。今後は、新型コロナウイルスとの共存を意識した持続的な生活様式と事業活動に一人一人、一社一社が取り組まなくてはいけない」とも強調した。
21日以降は、接待や接触を伴うキャバレーやナイトクラブなどの営業も再開されるほか、飲食店に対して協力要請している午後9時までの酒類提供と同10時までの営業制限も解除する。
ただ、県内での沖縄本島・離島間、離島間の往来については、当面の間は緊急時以外の渡航自粛を継続する。解除に向けては、離島各市町村の意向を踏まえて対応するとした。
県外からの渡航自粛については、国の緊急事態宣言の期限と合わせ31日までとし、6月以降は全国の感染状況を踏まえて再検討するとした。那覇空港と宮古空港、新石垣空港に設置・運用しているサーモグラフィーによる体温観察は継続する。
また、同日は新型コロナの影響で落ち込んだ県経済の回復を目指す「経済対策の基本方針(素案)」も発表された。同素案では、県内の現状を「経済活動の再開の準備および部分的再開」に進んだと判断。営業再開した小売店や飲食業、ホテルなどの諸産業の支援を続ける方針としている。
玉城知事は、県経済のV字回復を目指すにあたり「ゼロではなくマイナスからの立ち上げになる」との厳しい認識を示した上で、「あらゆる分野に対して、国の補正予算を含めた県の取り組みの厚みを増していく必要がある」と強調した。