渡航自粛 きょう緩和/経済活動、再開へ
感染防止対策に万全期す/宮古島市
宮古島市は1日、新型コロナウイルス感染防止に伴う宮古島への渡航自粛を緩和する。東京都や北海道などの都道県を除き、仕事や帰省などにおいて入域制限が解かれる。県の動きを踏まえ、観光客の受け入れに関する方向性も近く示される見通しだ。自粛の緩和で経済活動の再開が期待される一方、感染リスクの拡大を懸念する声も。宿泊や飲食業界は感染防止に向けて厳戒を強めている。
政府の緊急事態宣言は先月25日に全面解除されている。こういった動きを背景に、県は6月1日から渡航自粛を解除。6月中には東京都などを含めて渡航自粛の全面解除に踏み切る。
観光客の受け入れについても今月中には何らかの方向性が示されるものとみられており、宿泊、飲食業界を含む観光産業に回復の兆しが見え始めている。
4月25日から臨時休業していた宮古島東急ホテル&リゾーツは6月1日から約1カ月ぶりに営業を再開する。
再開に当たり、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門会議による「新しい生活様式」に沿った感染予防対策を策定した。利用客に対し、マスクの着用やソーシャルディスタンスへの協力を求める。自社の取り組みとしては、館内換気の徹底や飛沫(ひまつ)防止シートの設置、マスク、フェースシールド、手袋の着用といった対策の実践を徹底する。
経済活動の再開を歓迎する飲食業界も警戒は怠らない。宮古島調理師会は、独自のガイドラインとして▽入店前の手や指先のアルコール消毒▽せきの出る方や体調のすぐれない方の入店制限▽密にならないような入店制限や密閉の予防▽飲食時以外のマスクの着用▽営業時間の調整-を策定した。奥平幸司会長は「これからも宮古から一人も感染者を出さないという気持ちで店をやっていく。お客さまとスタッフの健康と安全を守りたい」と話した。
宮古島社交飲食業組合もアルコール消毒やマスクの着用、「3密」を避けながら来店者を迎え入れる。奥平玄信組合長は「まだ心配な部分はあるが、いかにして来店してもらえるかを考えていきたい」と売り上げの回復を期待。一方で「警戒は続けたい。もし宮古島で発生したら抑え込むのは難しい。感染防止対策を徹底したい」と話した。