ごみの不法投棄相次ぐ/荷川取漁港
公園利用マナーが悪化/無断BBQも横行か
荷川取漁港公園内の利用マナーが悪化している。5月の大型連休を境に無断でバーベキューをしたり、ごみを捨てたりする行為が相次いでいる。弁当パックも大量に確認されていることから、バーベキュー以外の利用者による不法投棄も多い。現状を踏まえ、管理者の県は使用制限の検討に着手。改善が見られない場合は、利用禁止も視野に入れて対策を講じる方針だ。
荷川取漁港の公園内にはバスケットボールのコートをはじめ健康器具、あずまや、バーベキュー施設が整備されている。これらの施設の清掃や巡回活動は宮古島漁業協同組合が委託を受けて実施。バーベキューを行う際に必要な申請の窓口も漁協が担っている。
その漁協によると、5月の大型連休を境に施設を利用する市民が増えた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解かれていないさなかで、ごみの散乱が目立つようになったのもこのころだという。
バーベキューの残り物や弁当パック、菓子箱、空き缶にペットボトルといったごみが施設内の複数箇所で確認され、大型連休明けに漁協が集めたごみは3㌧トラックの荷台を埋め尽くすほど。ごみの分別を含めて漁協職員が多くの時間を割いて処理に当たった。
漁協は、バーベキュー後にごみを捨てているのは無断で利用している人と見ている。申請時に団体名や連絡先を記入しなければならないため、正式な手続きを踏んだ個人や団体は「特定されるので捨てることはないだろう」という見方だ。
弁当パックやペットボトルは、港内の日陰で昼食を取る人たちが捨てているものとみられる。一人が捨てれば、次に利用する人は罪悪感が薄れて同じ場所に投棄。これが繰り返されてごみの山が積み上がるという悪循環に陥っている。
ごみの不法投棄は今もやまず、バーベキュー施設の周辺や街路樹の下、道路の脇、トイレなど複数箇所でごみが確認されている。
こうした公園内の現状を踏まえ、県が使用制限の検討に入った。県宮古農林水産振興センター農林水産整備課漁港水産班の兼次孝彰班長は「一部の人のマナーの悪さで市民の憩いの場が乱されている。これでは後で使う人たちが気持ちよく利用できない。こういう状況が続くと厳しい」と話し、改善が見られない場合は使用禁止も選択肢に含むことを示唆。併せて広く市民に利用マナーの向上を訴えた。