県、新沖振法の制度提言説明/下地昌明多良間村長
離島市町村長対象に
【那覇支社】2011年度末で期限満了となる沖縄振興特別措置法と同計画に代わるポスト沖振法について県は14日、「沖縄21世紀ビジョン」をもとに策定した「政策分野・離島振興」に盛り込み国あて制度提言する概要を18離島の市町村長を対象に説明した。下地敏彦宮古島市長、下地昌明多良間村長が出席し、県説明に対し意見提示した。下地村長は高校就学支援策を現金給付も含めて拡充強化してほしいと訴えた。また、下地市長は離島ごみ処理支援策の具体的内容について質問した。
県は「新たな離島振興策の要望」として、沖縄本島地域との格差是正、同地域の条件不利性克服のため、定住条件整備や産業振興策を図るべきとの観点から第4次振計で実現しなかった計画事案を含め12項目計16事案を制度要望することとした。
概要説明によると主な事業案として、沖縄離島移動交付金(仮称)の創設、離島航路及び航空路の維持確保に係る助成制度、離島の生活コスト低減支援制度、離島の廃棄物処理サービス広域化支援制度、離島児童・生徒支援センター(仮称)の設置、島しょ型福祉サービス総合支援制度などの生活支援策が盛り込まれている。
また、産業振興では含みつ糖生産者総合支援制度、離島の旅館業等に係る課税特例、沖縄離島活性化特別事業等など、農業、観光振興や特産品の販路拡大策に関連する内容などを国あて制度要求する。
説明後、首長と事務局との質疑応答があり、下地村長は離島児童・生徒支援センターに関連して、「多良間村では親せき宅に下宿する生徒もいる。自宅外通学の生徒については、沖縄本島に寄宿舎をつくるだけでなく、現金支給による直接支援が必要だ」として要望内容を拡充するよう求めた。
また、下地宮古島市長は「廃棄物処理運搬船」導入を図り、一部事務組合方式で運営したい考えの県計画に対し、具体的な運営方法を示すよう求めた。
その他市町村からは「ドクターヘリ」を現状の1機から2機以上に増やすことや、琉球エアーコミューター社の運航が停止している島からは再運航を求めることなどが提案された。県は今月20日までに同制度提言に関する意見書を各市町村で精査し、追加事業案などを取りまとめて提出するよう求めている。