多良間村に追加費用請求/東京の業者
1億9000万円 製糖工場めぐり提訴
多良間村(伊良皆光夫村長)の新製糖工場への機械設備導入を行った月島機械(本社東京都)が建築工期の遅れによって損害を受けたとして追加費用を請求している件で、同社が村に対して追加費用として1億9562万円と遅延損害金の支払いを求める訴えを那覇地裁へ起こしたことが11日までに分かった。この問題で村は今年5月27日までに1億円を支払い済みで、追加の支払い義務はないとの見解を示している。
同社ではこれまで▽債務負担行為の承認が得られている9500万円の速やかな支払い▽調停で合意が成立した残金5000万円について支払いの可否の回答ーについて村に対応を求めていた。
しかし、村は同社との話し合いもないまま、20年2月の臨時議会で追加費用を1億円とする議案を村議会に提案し、承認を受けたことで、1億円での合意を同社に求めた。これに同社代理人は「事前相談や協議もないまま、追加費用を1億円で合意したいとする対応は一方的であり不誠実」と指摘しており、村からの提案を拒否し、1億9562万円と遅延損害金の支払いを求めて提訴した。
伊良皆村長は今回の提訴を受け、村としては追加費用1億円を支払い済みで追加の支払い義務は無いとの見解を示した上で「今後については弁護士と相談する。村としてはこれまで業者と話し合いを重ねており、お互いが歩み寄ってきたつもり。突然の訴訟に疑問を感じる」と話した。