トラッシュ還元始まる/サトウキビ
製糖工場から畑に搬入/地力・反収アップへ期待大
サトウキビの反収(10㌃当たり収量)アップが期待されるトラッシュの還元事業が16日、始まった。各製糖工場からほ場に次々と運び込まれている。実施に当たり製糖工場など関係団体では、有機物の腐熟を促進するためにもプラウ(農業機具)を使ったほ場の深耕と反転、すき込みを呼び掛けている。
この事業は、収穫の機械刈りで製糖工場に持ち込まれた梢頭部や葉柄などのトラッシュを畑に還元し、地力を高めることが狙い。
市が運搬費の3分の2を補助し、農家は1000円の負担でトラック1台のトラッシュを畑に運べる。トラッシュの積み込み作業や畑に散布した後の敷きならしは製糖工場側が担う。
すでに申し込みは締め切られており、市農政課によると、申請件数は約100件で、トラック台数は約4100台となっている。
地力増進に向けて農家負担は軽くて済むが、最大効果を発揮するためにはほ場での取り扱いに注意が必要だ。トラッシュは固形物が多いため、土中に完全に埋め込むイメージですき込むことが求められる。従って馬力のある農業機械とプラウを使って土を深耕、反転する作業が欠かせない。
また、石灰窒素や尿素など窒素分を多めに入れることを勧めている。こうすることで腐熟が進み、地力の強化につながるという。
仮にこうした窒素分を投入できない場合は、植え付け時において必ず元肥を入れるよう促している。
今回の事業の補助対象は新植夏植えほ場に限られているため、株出し栽培に偏る傾向に歯止めを掛けて夏植えの比率を増やすという相乗効果も狙える。市は全体面積の50%程度を夏植えに戻したい考え(前期は6割が株出し栽培)だ。