経済対策ビジョン策定へ/3段階で景気を刺激 新型コロナで市
新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済の長期停滞を防ぐため、市が観光関連産業に絞った経済対策ビジョンを策定する。東京五輪が予定される来年7月までの暫定期間として、現金給付、受け入れ、自立の三つのカテゴリーに分けて支援策を打ち出し、管内の景気を刺激する。断続的な財政出動を伴う構想で、資金繰りにあえぐ事業所を下支えする施策だ。具体的な支援メニューは7月に開く市観光推進協議会でもむ。これらの構想は、18日に開かれた市議会6月定例会一般質問の中で、楚南幸哉観光商工部長が明らかにした。
現金給付は進行中のカテゴリーで、新型コロナの影響で業績が悪化した事業所1社に一律10万円を配っている。ただ、当初融資を受けていない区分で対象業種に指定されていなかったレンタカーや観光バス、運転代行、旅行業、イベント関連、小売り業まで対象枠を広げた。7月上旬には申請の受け付けを始める。
また、すでに10万円の給付を受けている事業所のうち、居酒屋やかっぽうなどの飲食業への支援内容を拡充させた。5月から7月の店舗電気料合計額の3分の2を給付(上限10万円)するなど厚みを持たせている。
受け入れ型支援のカテゴリーは、給付事業を終える9月に発動する。効果的な情報発信や応援プロジェクトなどを通じて観光客を誘引し、島内でお金を回して観光関連事業者の手元資金の確保につなげる。
最終段階となる自立型支援の期間は2021年2月から6月に設定した。管内経済の回復に向けて、事業者自立支援策を講じる。
受け入れ型、自立型のカテゴリーに関するメニューは、関連団体で構成される市の観光推進協議会で煮詰め、より効果的な手立てを講じていく。8月中にはビジョンを策定する。
18日の市議会一般質問で楚南部長は「中長期の支援に向けて経済対策ビジョンを早期に策定したい。その上で市内事業者に効果的な経済対策を講じていく」と支援拡充を強調した。島尻誠氏の質問に答えた。