サバニこぎ大漁祈願/各地でハーリー
コロナで規模縮小 御願バーリーのみ
漁師たちからは落胆の声も聞かれる一方で「来年は今年の分も含めてさらに盛大に開催するよ」との未来に向けた意気込みも聞かれた。
ハーリーは、豊漁と航海安全を祈願する漁民最大の行事の一つ。各漁港で爬竜舟競漕が行われて毎年、大勢の人出でにぎわっていた。
今年は、新型コロナの影響を受けて池間、狩俣、久松、布干し堂、佐良浜が規模を縮小して実施。島尻、西原(真謝)、荷川取、大神、高野、宮国(博愛)は中止となった。
漁業が盛んな佐良浜漁港では、この日も早朝から各漁船が鮮やかな大漁旗を掲げて港を彩り、船上では漁師たちが酒を酌み交わしながら、豊漁を願った。
一方で、例年の伊良部漁協による海神祭は新型コロナの影響で開催されず、前里添自治会(仲間稱会長)、池間添自治会(上地繁喜会長)がそれぞれ御願バーリーを実施した。
両自治会の会長からは「来年に向けてどうしても御願バーリーだけは開催しないといけなかった」「今年は少し寂しいが、佐良浜の漁民が結束すればコロナは必ず克服できる」など、前向きな声が聞かれた。
会場には下地敏彦市長も訪れ、漁民たちを激励するとともに、航海の安全と大漁を一緒に願った。
そのほか、それぞれの会場では、爬龍舟のこぎ手たちからの「ゴーヘイ、ゴーヘイ」との掛け声が響いた。
こぎ手たちは、コロナによる規模縮小の沈んだ空気を吹き飛ばそうと、声を合わせて力強いかいさばきを披露し、見学に訪れた観光客らを楽しませていた。