コロナで漁業者に支援金/来月下旬にも給付開始
正組合員10万円、準5万円
新型コロナウイルスの影響で収入が減少した漁業者を支援する市の経済対策が動き出す。漁協の正組合員に10万円、準組合員に5万円を給付する事業で、3漁協が市から委託を受けて事務作業を担う。該当する組合員の申請を受けて給付手続きに入り、早ければ7月下旬にも給付を始められる見通しだ。関連予算案が市議会6月定例会に提出されており、可決を経て具体的な給付手続きに着手する。
市によると、新型コロナの影響で魚価が下がったという。魚料理を提供する飲食店やホテルの長期休業が背景にある。こうした市場の動揺がそのまま漁業者の収入に直結しているものとみられ、市が3漁協の要請に応える形で独自の漁業者支援策を決定した。
給付対象者は水揚げの実績がある組合員で、市内に住所を有し、市税など公金の滞納がない者。市が別で実施している「中小・零細企業助成金」「事業者経営助成金」で給付金を受けている人は対象外となる。
3漁協への事前の聞き取りで、対象となる正組合員は184人、準組合員は125人となる。市農林水産部の松原清光部長が22日の市議会一般質問で真栄城徳彦氏の質問に答えた。
事業費(見込み額)の約2500万円を市議会に提案しており、認められれば市が直ちに3漁協と事務委託契約を締結。漁協が組合員の申請を受け付け、市の審査に掛けた上で助成金を給付するという流れだ。
議決が前提だが、7月下旬には組合員に給付を始められるよう市と3漁協が急ピッチで準備を進める。
取材に市水産課の平良勝彦課長は「市議会で(関連予算が)可決されれば、直ちに漁協との事務委託契約の締結に向けて準備を進めたい」と回答。「なるべく時間をかけず、速やかに助成金を給付できるように取り組みたい」と話した。