神酒ささげ五穀豊穣願う/平良西原
伝統行事「フッビューイ」
平良西原の伝統行事の一つである「フッビューイ」が4日、ウハルズ御嶽やナイカニ御嶽で執り行われた。ツカサやナナムイ(満48~55歳)の男が御嶽に神酒をささげ、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災、地域の発展などを願った。今年は新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大を考慮。規模を縮小して少人数による「オトーリ」なしで開かれた。
フッビューイは粟の収穫を祝う神事。収穫した粟(現在は米)で神酒をつくり、豊作と住民の健康を祈る。代々のナナムイが受け継いできた。
ツカサ、ナナムイの男はウハルズ御嶽でニガイ(願い)を行った後、ナイカニ御嶽へ移動した。
ナイカニ御嶽では神酒を奉納し、ナナムイの1年生らが、先輩たちに酒をつぎ、ナナムイの代表者が流ちょうな方言で口上を述べ、豊作と健康を願った。
フッビューイは本来なら盛大に行われるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でツカサ、ナナムイの男、自治会役員、地域の高齢者代表のみで開かれた。
西原自治会の仲間忠会長は「地域の住民や島外にいる部落出身者などが参加できなかったことは残念だが、規模を縮小して無事に行事を継続できて良かった」と語った。
ナナムイのメンバーの池間龍也さんは「昔と比べて子供たちの数も少なくなったが、長年続いている行事なのでこれからも次世代へ継承し、守っていきたい」と話した。