目標達成は50%/実施事業進捗を評価
コロナで新たな課題も/第2次市総合計画
下地敏彦市長は15日、市役所平良庁舎で会見を開き、第2次市総合計画の3年目(2019年度)の進捗(しんちょく)状況を公表した。97の評価項目のうち49項目(50・5%)が「向上」、10項目(10・3%)で「改善が必要」となっている。残りの38項目(39・2%)は「現状維持」だった。
下地市長は計画の進捗について「良くやっていると考えている」と評価した一方で、「前期計画の目標年度を前に目標を達成するなど約50%で向上が図られているが、計画の目標達成は道半ば。新型コロナウイルス感染症の影響から新たに生じた課題などもあり、取り組みの改善や転換についても検討していく必要がある」と述べた。
宮古島市は2005年の市制施行後、07年から16年に第1次総合計画を実施。今年は17年から26年までの第2次の4年目。今回は3年目までの進捗状況を評価した。
第2次総合計画は自然環境、教育、健康福祉、産業振興、暮らし、まちづくりの6章からなり、基本計画に基づいて実施計画を策定。実施している事業の進捗を評価した。
第1章の自然環境関連の達成率は80・0%で、地下水の硝酸性窒素濃度の減少や森林面積の確保、維持などについて目標を達成していて、市内純生産当たりの二酸化炭素(CO2)排出量の削減についても目標値をクリアしている。
第2章の教育、文化、芸能関連の達成率は52・6%で、課題は不登校生徒数が15年度の41人から19年度は93人に増えたことなど。一方、小中学校での情報通信技術(ICT)を活用した授業実施が100%になり、学校規模適正化に向けても着実な取り組みが行われているほか、未来創造センターが開館するなど教育施設の充実が図られている。
第3章の健康福祉関連は達成率42・9%で認可保育園数の増加や地域型保育事業の拡充により待機児童が減少するなど幅広い年齢層へ対応した成果が現れているが、特定健診は委託医療機関(宮古支所)撤退に伴う健診日数の減少により受診率が低下していることが課題となっている。
第4章の産業振興関連は達成率29・2%。目標である入域観光客数120万人に向けて順調に推移していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い国内間の移動や海外との往来が制限されたことから、19年度より8万人少ない106万人にとどまったことが示された。
第5章の暮らしと安全、安心面については達成率52・0%となっており、住宅用火災警報機の設置率の低迷や飲酒運転検挙者数の増加などが課題で、向上に向けて市民と協力して改善に取り組むとしている。
第6章の地域づくり関連は達成率90・0%となっており、市地域づくり支援事業の件数の増加や総合相談件数に占める苦情の割合が減少したほか、市税徴収率の向上や適正な職員の定員管理など効率的な行財政運営が図られていることなどを成果として挙げた。