患者死亡、宮古初/新型コロナ
症状が急速に悪化/感染累計32人
【那覇支社】県は10日、新型コロナウイルスで宮古島市の患者1人が死亡したと発表した。宮古島市は、亡くなったのは高齢の女性で、容体が急変したとしている。新型コロナによる死亡例は、宮古地区では初めて。また、県は9日、宮古地区で重症化した別の患者1人を、沖縄本島の医療機関に搬送したと発表した。宮古地区での感染は、9日も2人が確認されており累計では32人。
県によると、女性は3日に症状が発現し、7日に感染が確認された。亡くなったのは9日。関係者によると、女性は宮古病院に入院していたといい、当初は重症ではなかったが症状が急速に悪化したとみられている。
記者団から出た「宮古の医療体制で重症患者に対応できるのか」との質問に対し、保健医療部の糸数公保健衛生統括監は、「県立宮古病院はICU(集中治療室)もある。人工呼吸器による治療は可能だが、さらに重症化した場合のECMO(体外式膜型人工肺)による対応では、沖縄本島に搬送して診療する必要がある」と述べた。
県によると、宮古病院で重症者に対応できる病床は10日時点で1床。本島の医療機関への搬送について、糸数統括監は「患者の年齢や基礎疾患などを加味して判断する。本島の医療機関と調整しながら決定している」とした。
亡くなった女性に基礎疾患があったかは確認できていないが、県の担当者は「高齢であることが一つのリスク」と話す。女性については、容体が急変したため本島への搬送を検討できなかったという。
10日は、このほか県内2人について、新型コロナウイルスに関連する死亡が発表された。このうち1人は、7月31日に赤十字病院での死亡で、死因は新型コロナではなくもともとの病気という。新型コロナ関連により県内で亡くなったのは、合計10人となった。