新型コロナ情報格差 議員間で認識の差
保守系連名で県要請へ/市議会全員協
市議会(山里雅彦議長)は先島間にある新型コロナウイルスの情報格差などについて県宮古事務所への是正要求を念頭に26日、市役所平良庁舎で全員協議会を開いたが議員間の認識に開きがあり、協議はまとまらなかった。27日に県宮古事務所の金城聡所長に市議会として申し入れる予定だったが見送り、保守系議員団として提出する。
山里議長は是正要求の文案を示し「すでに新聞報道で県事務所の見解が出ているが、それらも踏まえた上で議論をしてほしい」と投げ掛けた。
上里樹氏は「4月に議会として要請し、すでに回答を得ている。今回の申し入れは県と対立するだけ。PCR検査であるとか、もっと具体的な要求にすべきだ」と文案に反対し、野党議員の仲里タカ子氏、島尻誠氏も同調した。
一方で、新里匠氏ら与党議員はこれまでの県の対応について不満を示し、「市民の負託を受けている議会として申し入れるべき」と強調し、意見がぶつかり合った。
結局、全会一致を原則とする全員協議会としての取りまとめはできず、散会した。
散会後、保守系議員らは今後の対応を協議。早急な申し入れが必要との認識で一致、保守系議員団として連名で県宮古事務所に提出する。
是正要求案では①宮古における地方対策本部に宮古島市を加えること②症状や感染ルートの情報について現在の「県本庁の一元管理」から、宮古島市を加えた宮古独自によるものとすること③市民に安全・安心を与える迅速で正確な、できるだけ多くの情報を、記者会見を開いて毎日発表すること。また県本庁においては宮古圏域の個別情報を発表すること④TACO以上の効力ある検査体制を構築し、水際対策を強化すること⑤宮古における医療を守る最高機関は県宮古保健所であることを再認識し、市民の生存権を守る行政運営に努めること─としている。