県災害対策本部、台風9号の被害概要を確認
転倒など軽傷者8人
【那覇支社】県災害対策本部(本部長・玉城デニー知事)は2日、台風9号に係る第2回会議を県庁で開き、同日午前9時半現在の被害状況を確認した。読谷村の90代男性が風にあおられて転倒し頭部を負傷するなど、8人が軽傷を負っている。
冒頭、玉城知事は被害にあった県民へのお見舞いとともに「非常に強い台風だったが、重傷者を出すことなく済んでいる。県民の準備や市町村・関係機関の尽力等に感謝申し上げる」と述べた。
さらに、「今後、上がってくる情報もあると思うが、県としても復旧に努めていくので引き続きよろしくお願いしたい」と協力を呼び掛けた。
知事公室の概要等報告によると、避難所は最大36市町村124カ所で開設。避難者数は最大404世帯580人だった。いずれも会議時点でゼロになっている。恩納村で、避難者1人の発熱が確認され、一般避難者とは別の部屋に誘導されたという。
人的被害は、南風原町の70代女性(自宅庭で、突風で傘の骨組みで目を負傷)、西原町の80代男性(窓の修復作業中に約3㍍下に落ち肩を負傷)、北中城村の70代女性(降車時に転倒し右側頭部を負傷)など8人が軽傷を負った。
住宅被害は、一部損壊が5件。那覇市曙で建物の壁面が崩落し、下にあった車両と電線が損壊、那覇市牧志で二階建ての玄関屋根が崩れ玄関の開閉不可、那覇市樋川で建物の2階屋根が吹き飛ぶなどの被害が出た。
非住家被害は、半壊が1件、一部破損が2件。豊見城市で旧市役所庁舎の外壁が剥がれ落ちたほか、那覇市具志で車庫のトタン屋根が数枚剥がれた。沖縄市住吉の空き家建物の損壊も確認されたが、もともと損壊していた可能性も指摘された。
最大瞬間風速は、久米島町北原で54・5㍍、渡嘉敷村で47・5㍍、那覇市那覇で44・0㍍などを観測。24時間降水量は、粟国村で200・5㍉、久米島町北原で176㍉、渡名喜村渡名喜で166㍉などとなっている。
停電は、ピーク時の1日午前2時ごろに3万6210戸が停電。2日午前9時半時点で、久米島や本島北部など計740戸が停電している。