不納欠損1465件4093万円/市19年度一般会計決算
件数、金額とも大幅増/固定資産税が5割超
市の2019年度一般会計における不納欠損は件数で1465件、金額にして4093万円となり、前年度と比較すると件数で約2倍、金額で約3・2倍となっている。市議会9月定例会に提出される同年度決算書で分かった。不能欠損のうち、全体の5割を超える2166万円が固定資産税だった。市監査委員は、税負担の公平性を確保する上からも効果的な徴収対策を図るよう求めている。
市税は1464件(2735万5000円)で、内訳は▽市民税(個人)175件(416万5000円)▽固定資産税933件(2165万2000円)▽軽自動車税356件(153万7000円)-。ほかに諸収入で1件1357万4000円が欠損処理された。
特別会計は4669件、4413万4000円で、前年度に比べ件数で1443件、金額で1071万9000円増えた。
一般会計と特別会計を合わせると6134件、8506万4000円となっている。
市民税などの不能欠損は低収入などの理由で納付することができず、財産の差し押さえもできないと判断した場合の処分。差し押さえる財産がない「無財産」や必要最低限の財産しかなく、それを差し押さえると日常生活に大きな支障が生じる可能性があると判断した場合に実施している。債務者の死亡や行方不明、企業倒産など徴収の見込みがない場合もある。
市によると、財産調査の途中で債務者が死亡したり、債務者の親族を探している際に、5年間の時効が過ぎた案件もあるという。
不能欠損については、市監査委員が議会に提出する意見書で、「市の徴収取り組みについては納税環境の整備に取り組むなど努力の跡も見受けられる」としたものの「市税は主要な自主財源で、収納強化は財政健全化の根幹である」と指摘。税負担の公平性を確保する上からも、不能欠損に陥らないよう引き続き効果的な徴収対策を図り、徴収率向上に向けて全庁体制で取り組んでいくことを要望している。