多良間八月踊り稽古始め/仲筋、塩川
御願所で「手始め」
【多良間】多良間村の伝統行事「八月踊り」に向けて本格的な稽古を開始する手始め御願が10日、字仲筋の土原御願所と字塩川のピトゥマタ御願所で行われた。祭りの会場でもある御願所を清めた。八月踊りは旧暦8月8日(9月24日)から3日間行われるが、今年は新型コロナウイルスの影響で、神事のみの実施で奉納余興は中止となるなど規模を縮小しての開催となる。
このうち、塩川では午後5時30分ごろから字役員をはじめ中老、字民、八月踊りの演者などが集まり祈願祭を執り行った。同字の友利哲市会長は「八月踊りで重要なのは神事であり、コロナの発生で余興は中止となったが、手始め御願、正日御願、ワカレ御願の神事は例年通り行う。今年は我慢し、来年はさまざまな行事が盛大に行われることを願う」と話した。
その後、例年通り地謡座(ズーニン)によるさんびんの演奏、長寿の大主、エーズが披露された。奉納余興が中止とならなければ、本番の舞台に立つはずだった中学校3年生による女踊り(天川)と若衆踊りが披露されると、会場からは惜しむ声と大きな拍手が送られた。
女踊りには久志舞香さん、若衆踊りには桃原司至さんと石原優斗さんが出演した。
息子と最初で最後の母子共演を長寿の大主で果たした母の桃原薫さんは「息子と一緒に踊れたことは感慨深い。上手に踊れている息子の姿を見ると成長したとうれしく思った。少しでも皆さんに披露できたことは子どもたちにとっても先輩たちの踊る姿を見て来年につなげられるのではないか」と話した。
また、息子の司至さんは「コロナの影響で八月踊りの奉納余興が中止になって残念だが、初で最後かもしれない親子共演ができたことはうれしい」と語った。