宮古毎日新聞創刊65周年を迎えて
読者に役立つ情報を発信
宮古毎日新聞社代表取締役社長 伊志嶺 幹夫
宮古毎日新聞は1955(昭和30)年9月19日に創刊され、きょうで65周年を迎えることができました。これもひとえに読者ならびに地域の皆様のご支援のたまものと深く感謝申し上げます。
本紙は真栄城徳松により創刊されました。創刊号のあいさつで「住民のための新聞」と位置づけ、「社会的事象を公正な立場で観察し、建設的編集方針を堅持する」と明言しました。
そして創業者の意志を引き継ぎ、2005(平成17)年創刊50周年の節目の年を境に、第5代社長の真栄城宏が、新たに社是と編集綱領を明文化し、「読者との信頼関係をゆるぎないものとする」ことを掲げ、「郷土に根ざした確かな視点」で「正確かつ公正な記事と論評」を明確にしました。
65年の歴史を顧みますと試練の連続ではありましたが、技術革新を進めながら、宮古圏域の動きを反映する紙面を積み重ねてきました。
本紙の65年間の主な出来事を振り返ると1980(昭和55)年オフセット輪転機を導入。1989(平成元)年、紙面を4ページから6ページに増やし日々の暮らしに役立つ生活情報面(まいにち伝言板)を新設。1995(平成7)年4月に日本新聞協会へ加盟。同年に時事通信社と契約、国内外のニュースを迅速に掲載、プロ野球、大相撲などのスポーツ面を充実させました。1997(平成9)年、カラー印刷機を導入。カラー印刷での鮮やかな紙面が提供できるようになりました。1998(平成10)年、全国郷土紙連合に加盟。4月から政府広報を掲載。国や沖縄県の行政情報を読者に詳しく届けております。
2013(平成25)年に印刷センターが完成。新しい輪転機が稼働、最大16ページ印刷できるようになり、そのうち8面のカラー印刷が可能になりました。2016(平成28)年9月にはマクラム通り沿いの旧社屋地に念願の新社屋が完成しました。
全国的に新聞業界を取り巻く情勢も年々厳しさを増しております。少子高齢化・人口減少に伴う社会の構造変化、インターネット、スマートフォンの普及により無料の情報があふれ、新聞は紙媒体で読むという感覚が薄れ若者たちの情報収集はインターネットからという傾向が年々強くなっています。
本紙では、デジタル社会に対応するため、1999(平成11)年10月に「宮古毎日新聞ホームページ」を開設、島の情報を本土や世界に発信、2010(平成22)年9月にはホームページを刷新し内容を充実させました。そして、2020(令和2)年4月に当日の紙面がパソコンやスマートフォン、タブレットで即読める「宮古毎日新聞電子版」を開設しました。
情報を伝える手段が多様化する時代となっていますが、郷土紙としての自覚を新たにし、新聞の使命である政治、行政、経済等公益にかかわる正確な情報を迅速、正確に提供し地域社会の文化、福祉および産業の発展に寄与していく所存です。
今年は、新型コロナウイルスの世界的な流行でさまざまな分野で影響が出て、閉塞感が漂っています。新聞は社会を映す鏡だといわれます。今後とも宮古圏域、郷友らの動きを日々伝え生活に役立つ情報提供に努めてまいります。今後とも宮古毎日新聞のご愛読をよろしくお願い申し上げます。