市の実質公債費比率/23年度から10%台突入
将来負担比率を予測/市議会一般質問
市の実質公債費比率が3年後の2023年度に2桁に達する見通しだ。20年度の7・7%から2・7ポイント増えて10・4%になることが市の将来負担比率の予測で示された。この比率が18%以上になると、地方債を発行する際に国の許可が必要になるなど一定の制限が掛かる。市の予算規模は21年度以降縮小に転じる見通しで、中・長期的に見ると比率は押し下げられていくものとみられるが、今後の健全性を担保する当局の財政運営が求められている。
実質公債費比率を含む財政シミュレーションは28日、開会中の市議会9月定例会一般質問で宮国高宣総務部長が上地廣敏氏の質問に答えた。公債費、市債残高を併せて向こう5年間の将来予測を数値で示した。
実質公債費比率の年次推移は21年度8・5%、22年度9・7%と上昇。23年度には2桁10・4%に達すると予測している。その後2カ年は10・9%となる。各種大型プロジェクトの導入などが影響している。
同比率は、自治体の収入に対する負債返済の割合を指している。通常18%以上になると新たな借金をするために国や都道府県の許可が必要になる。25%以上になると借金を制限される。
シミュレーション上、同比率はピーク時でも安全圏内に収まり、その後は下降に転じることが予測されている。ただ、数値の悪化を招くと今後の資金繰りに影響を及ぼすため、シミュレーションに即した当局の財政運営が求められそうだ。
関連する公債費は、向こう5年間は右肩上がりで推移していく。24年度には47億1200万円に達し、翌25年度は47億3200万円となる。
一方、ここ数年の大型事業で膨らんだ市債残高は次年度以降減少する。20年度は463億5100万円計上されているが、23年度には441億8900万円まで圧縮される。25年度は432億円台に落ち着く。
質問した上地氏は、これらの財政シミュレーションに加えて予算規模の想定も聞いた。これに対し宮国部長は「令和3年(21年)度を初年度とした10年間の長期財政計画の策定の途中だが、令和2年(20年)度当初予算において、総合庁舎建設にかかる事業費が約65億円で、城辺統合中学校関係では約8億円が計上されている。このため、令和3年度以降は減少に転じる」との見通しを示した。