「宮古島市大きく発展」/下地敏彦市長
きょう市制施行15周年/感染症防止、経済対策に全力
下地敏彦市長は1日の市制施行(5市町村合併)15周年に当たり9月29日、宮古毎日新聞社のインタビューに答えた。下地市長は「合併からこれまで、将来の社会基盤となるインフラ整備を着実に進めてきた」と強調。経済活性化などに取り組み、実現したことも挙げ「宮古島市は大きく発展したと考えている」と述べた。今後の展望として、新型コロナウイルス感染症の防止、経済対策、総合庁舎を核とした新しいまちづくりを進めていくことなどを示し「市民と連携、協力しながら、心かよう夢と希望に満ちた島宮古(みゃーく)をさらに推進していきたい」と話した。
下地市長は2005年10月1日の市町村合併前後を振り返り「財政状況の悪化による行政サービスの低下や、人口減少の加速化など、将来への不安や懸念の声があり、市民や地域経済に閉塞(へいそく)感を及ぼしていると感じていた」と振り返った。
合併以降については▽農業基盤整備▽観光地の施設整備▽教育(学校規模適正化)の整備▽子育て環境(待機児童解消、児童館建設)の整備-など「地域の特色に合わせた積極的な施策を展開した」と強調した。
合併の目的は行政、財政の効率化だとした上で「そのことから、自主財源の柱となる市税の徴収強化、高率補助事業の積極的な導入、財政調整基金の積み立てを行い、健全な財政再建に取り組んできた」と述べ、引き続き効果的な行財政運営に努めていく考えを示した。
地域全体の持続的発展に向けては「さまざまなソフト事業の展開により、人材の育成、確保、官民連携の体制構築を進めるとともに教育、福祉、経済などの充実によって市民が豊かに住み続けられるまちづくりが必要」とした。
下地市長は、課題として新型コロナウイルス感染症への対応を挙げ「市民が安心できる暮らしを確保し、経済を活性化させていくためには感染の流入を防ぐことが重要」だとし、具体的には▽国、県と連携した水際対策の徹底▽感染者が発生した場合の対応を可能とする宮古病院や医師会との体制構築▽国が提唱する新しい生活様式を導入した経済対策-などを実施する方針を示した。
来年1月4日に開庁する総合庁舎については「各部署が集約され効率的、効果的な行政サービスの提供が可能になる」と語った。
下地市長は、総合庁舎周辺にある国有地の利活用を含めた今後の発展可能性が見込まれているとし「都市計画マスタープランの改定を進め、市民の暮らしと活力を支える新しいまちづくりに取り組みたい」と話した。