ハーベスターの申し込み増加
課題は雨天時の収穫/キビ農家の高齢化進む
サトウキビ収穫の機械刈りが各地で増加している。宮古島市全体の2010~11年産のハーベスターによる刈り取りは、申し込み段階で全体収穫面積の29・4%に達しており、前期の収穫時に比べて約5ポイント上回っている。労働力の低減には欠かせない機械刈りだが、ハーベスターが稼働できない雨天時の収穫が課題の一つに挙げられる。
JAさとうきび対策室によると、昨年12月15日現在のハーベスター刈り取り申し込み状況は市全体で件数が1362件、面積は1131㌶。前期と比較して件数が362件、面積では314㌶増加している。
地区別申し込み状況は▽平良411件310㌶▽城辺342件285㌶▽上野204件160㌶▽下地256件243㌶▽伊良部149件130㌶-。各地区とも前期に比べて増加している。
機械刈りが増えている要因として、同対策室は▽生産農家の高齢化▽効率的な株出し栽培-と分析。「高齢化に対応する流れにあるほか、ベイト剤の普及で各地で株が立つようになったことも一つの要因。株出しには機械刈りの方がメリットはある」と話した。
国の助成も増加要因の一つ。10年度畑作等緊急構造改革支援事業で、ハーベスター作業委託費用の2分の1以内を国が助成しているため、今期の申し込み件数を押し上げた。
機械化が進む中、雨天時の機械刈りが課題に挙げられる。ここ数日の悪天候で機械刈りができず、沖糖宮古工場は原料不足の影響で工場を一時ストップさせるという対応を余儀なくされた。
ただ、サトウキビ栽培にあって生産農家の高齢化と担い手不足は否めず、労働力の面でも機械化は促進される傾向にある。工場関係者は「機械化は今後も進むと考えており、工場としてもそれを予測して対応していく」などと話した。