有効求人倍率0・98倍/8月宮古
前月比上昇 雇用回復の兆し
宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、阿部祐士所長)は5日、管内の2020年8月の雇用の動きを発表した。有効求人倍率は0・98倍で前年同月実績を0・64ポイント雄下回り、6カ月連続での低下となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響はあるものの、有効求人倍率は前月より上昇し、解雇や雇い止めは前月より減少。観光産業関連の求人が増え始めるなど回復の兆しが見られ始めている。
有効求人倍率は、仕事を探す人1人に対して何件の求人があるのかを示す数値。宮古管内の倍率は、7月は0・91倍で前年同月比0・78ポイント低下し、統計上過去最大の低下幅となっていた。
月間有効求人数は937人で、前年同月比で360人の減少。月間有効求職者数は960人で同比160人増えた。
新規求人は316人で同比94人の減少。産業別で見ると食料品製造業が2人、情報通信業が2人と同比85%以上減った。一方で大手ホテルから求人が増え、宿泊業・飲食サービス業は43人と同比95・5%増加した。「シルバーウイーク」や「Go To キャンペーン」に備えたものと見られている。
雇用情勢を映す雇用保険資格喪失者は169人と前年同月比で33人減少した。このうち解雇や雇い止めなどの事業主都合は11人。4月の53人、5月の72人、6月の69人、7月の61人に比べると大幅減となった。阿部所長は「このまま減少が続けば改善に向かっていると言える。この数字を今後も注視したい」と強調した。
新規求職申込件数は159件で6カ月ぶりの減少に転じており、新規求人数が増えれば管内の状況は改善すると見られている。
阿部所長は「観光客は増加しており、観光産業関連に期待している。感染リスクなど複雑な問題はあるが、何とか回復に転じてほしい。採用の計画がある企業は早めに求人を出していただきたい」と語った。