信頼度「新聞」トップ/新聞協会がコロナ禍のメディア調査
情報入手、世代間で格差/年齢増すごとに地元紙に期待
15日から「新聞週間」がスタートした。今回は新型コロナウイルス一色の中で迎えた。今年一年は本紙を含め多くの新聞社の紙面が新型コロナ関連のニュースで埋め尽くされた。そんな中、新聞協会が8月に発表した「新型コロナウイルスとメディア接触・信頼度調査」では、新聞が信頼度でトップとなっていることが示された。この結果を受けて市民に新型コロナ関連の情報入手方法について取材すると、若い世代ではネットが中心で、年齢が増すごとに地元紙からの情報を期待している傾向があることが分かった。
新聞週間企画
■ 調査
同調査は同協会の広告委員会が主体となって、全国を対象に15~79歳までの男女(新聞接触者/非接触者)を対象に今年5月に行われた。サンプル数は1243人。
その中で、新型コロナ関連ニュースが報道されて以降、メディアに接触する頻度(回数や時間)が変化したかどうか訪ねた結果、「増えた」「やや増えた」との回答では、新聞社が発信する情報(デジタル版や電子版など含む)への接触が大幅に増加していることが分かった。
新聞社発の情報に対する接触が増加した理由としては「新聞(紙)は情報の要点がまとめられている」「情報が信頼できる」「情報が幅広い」などが挙げられた。
さらに、新型コロナが感染拡大する中でのメディアの信頼度調査でも新聞(紙)を「信頼できる」「やや信頼できる」と回答した割合は69・5%に上り、テレビの66・8%を上回って全メディアの中でトップだった。
■ 信頼
インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)経由で得ているニュースについて、情報の発信・提供元を確認するかについての質問では「確認する」「たいてい確認する」の回答が46・9%。特に、10~30代にかけてはその割合が高く、出典を重視していることが分かった。
また、提供元が「新聞社」の場合は56・5%の人が「信頼できる」と回答し、全メディアの中で最も高く、信頼度の高さは新聞社が提供するネットニュースにも如実に反映されていることが分かった。
■ 島内
宮古でも7月末に新型コロナウイルスの感染者が初確認されて以降、コロナ関連のニュースは以前よりも一気に増えた。
そうした中で、地元における新型コロナ関連ニュースの取得方法について取材を進めると、高校生を含む若い世代はネットを中心に取得し、地元紙から得る機会は少ない傾向があることが分かった。
一方で、子供を持つ親世代以降は、地元紙から情報を得る機会が多く、ある代の女性は「ネット上での保護者間の情報交換で、いろいろなうわさやデマが入っているが何が本当か分からない。その中で新聞の記事で正しい情報を得ている」と話した。
■ 役割
新型コロナ禍の中で、信頼を得ている「新聞」が果たすべき役割はさらに大きくなっている。
島内でも島の現状について、紙面を通して多くの正しい情報を求めている読者がいる中で、本紙への期待も高まっている。
市内に住む60代の男性は「最近は、新型コロナの影響で人と会う機会が減った。その分、情報源を地元紙に頼る頻度も高まっている。日々、スマートフォンを通していろいろな情報が出回るが、それが正しいかどうか分からない。その点でも新聞の情報は信用できる。数日前から宮古の感染者も増えてきている。今後、紙面を通して届けられる正確な情報を期待している」と話した。