子の誕生を先祖に報告/「ヤーマスプナカ」
来間島 規模縮小して開催
旧暦9月の甲午(きのえうま)の日に行われる来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」が18日から2日間、同地区で行われた。初日は3兄弟の家元で子孫繁栄を祈願する「サラピャース」と「マスムイ」の儀礼が行われた。この一年間に誕生した子供を先祖に報告するとともに、健やかな成長を願った。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、来間部落会(大浦邦夫会長)は規模縮小を決定。参加者にはマスク着用と手指の消毒を徹底させたほか、参加人数の減少と、島内を練り歩くパレードなどは実施しなかった。
ヤーマスプナカは、子孫繁栄や無病息災、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するもの。来間島を救い、繁栄させたと伝えられる3兄弟の家元(長男スムリャーブナカ、次男ウプヤーブナカ、三男ヤーマスヤーブナカ)を中心に祭事が行われる。
このうち、次男のウプヤーブナカの家主、砂川輝夫さん宅では、午前8時ごろから「サラピャース」が始まり、住民らに神酒が振る舞われた。回し飲みは行わず、一人一人に神酒を注いだ紙コップを手渡した。
砂川さんは「新型コロナの影響で参加者は例年の半分くらい。少し残念だが開催できて良かった。来年は盛大に祝えることを願っている」と語った。
「マスムイ」では、ここ一年で生まれた子供4人を報告。津嘉山陽菜さん(20)は生後8カ月の長女、璃緒菜ちゃんをお披露目。「コロナ禍で大変だが、健康に育ってほしい。多くの皆さんに祝福されてうれしい」と笑顔を見せた。