市民「腹立たしい」/参加市議「断れなかった」
感染者計10人、影響広がる/コロナ禍、県議らとの懇親会
県議会会派沖縄・自民党の県議18人が視察先の宮古島市で20日、保守系市議らを交えた20人余りで懇親会を開いた問題。連日、新型コロナウイルスの感染者が確認され、夜の繁華街では注意報が発令されている中での飲み会は、市民から「情けない」「腹立たしい」などと怒りの声が上がっている。懇親会に参加した市議らは「断ることができなかった」などと釈明している。23日には新たに9人の県議が陽性と判定され、今回の視察メンバーの感染者は計10人になった。視察団の一人で、宮古島市区選出の下地康教県議は26日に検査結果が判明するという。
市内に住む50代の男性は「感染者が続出している中で、議員が大人数で酒を飲むことが理解できない」とあきれた表情。理髪業を営んでおり、客と接触するため細心の注意を払って仕事をしていると言い「友人と飲みに行くことも我慢している。自覚のない行動には腹が立つ」と憤りを示した。
70代の女性は「感染拡大防止で、議長も市民には注意喚起をしておきながら、自分たちで破っている。特別だと思っているのか。腹立たしい。緊張感が足りないのではないか」と憤慨した。
懇親会で自民会派の県議らと飲食を共にした保守系市議の一人は「この(宮古、八重山で感染者が増加している)タイミングで来島し視察するのはまずいと分かっていた。しかし、以前から予定されていたことで、無視することはできなかった」と話した。
別の市議は濃厚接触が疑われるとして、保健所から家族を通してPCR検査を受けるよう連絡があったという。「検査日程などの調整があると思う。求められれば受けたい」と語った。
懇親会に参加した市議らは自らPCR検査を受けたり、外出自粛をしたりするなど影響が広がっている。
宮古保健所に連絡し、聞き取り調査で濃厚接触者には当たらないと判断されたという市議は、それでも不安なので民間病院でPCR検査を自費で受けたという。飲み会に参加したことについては「断り切れなかった」と話した。
長濱政治副市長も懇親会に参加しており、秘書広報課は「23日から自主的に自宅待機をしている」という。25日にもPCR検査を受ける予定だ。
懇親会に参加せず、現在は東京出張中の下地敏彦市長は、自らのツィッターで「感染拡大対策徹底を呼び掛けている立場にありながら、私の監督下の元でこのような事態になったことをおわび申し上げる」と投稿した。
同僚議員から懇親会に誘われたが「畑仕事が忙しいから」と断ったという市議は、「断って正解だった。今の時期は大人数での飲食は控えるようにしている」とほっとした様子だった。