副市長と市議は陰性/市の幹部や取材記者も
市長はきょうにも判明/県議クラスター
県議会沖縄・自民会派所属の議員間で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)で、県は27日、宮古関係の濃厚接触者45人中、38人の陰性が確認されたと発表した。この中には長濱政治副市長や市議、市の幹部、取材記者全員も含まれる。下地敏彦市長の検査結果は28日以降に判明する。一方、県は27日の会見で下地市長を濃厚接触者と改めて認定。26日の会見では「濃厚接触者ではない」としていた。
県によると、27日時点の濃厚接触者は45人。下地市長や報道各社の記者ら31人を新たに加えたという。
PCR検査で陰性だった38人の中には、長濱副市長ほか市議会の山里雅彦議長ら市議8人、部課長を含む市職員4人、宮古島商工会議所の下地義治会頭も含まれる。
長濱副市長は、自身の健康観察および感染防止対策を徹底した上で職務に復帰するものとみられる。職員も市の指針に従い、感染リスクを高めないことを前提にそれぞれ職場に戻る。
市や市議会のほか、20日に市役所平良庁舎で開かれた県議との意見交換会を取材していた本紙記者および宮古新報、宮古テレビ、琉球新報、沖縄タイムスの各記者も全員陰性だった。
一方、下地市長の結果は28日以降に分かる。市長は20日にあった県議との意見交換会に出席しているため検査勧奨を受けたが、県は当初、濃厚接触者と認めていなかった。ところが27日に改めて認定したと発表した。26日夕に宮古保健所からの連絡を受けて、当時の現場の状況などを踏まえて濃厚接触者のカテゴリーに収めたとみられる。
下地市長が濃厚接触者ではないとする当初の県の判断をめぐっては、報道各社が混乱した。取材した各社の記者には、市や保健所から濃厚接触者であることを告げられていたためだ。
同じ会場にいた下地市長が濃厚接触者に該当しないのであれば、「現場にいた記者も濃厚接触者ではないのではないか」という主張が成り立つ。さらに、保健所からのPCR検査勧奨通知が取材記者には24日、市長には25日と1日ずれていることも疑問視された。
25日は、下地市長が同日に就航したスカイマークの羽田-下地島線を利用している。仮に濃厚接触者と認定されていれば、感染リスクを考慮して搭乗を見合わせる選択肢もあった。
この点について宮古保健所の担当者は27日夕、本紙の取材に「この段階ではまだはっきり(市長が濃厚接触者だと)分かっていなかった」と回答。出張からの戻りが25日午後になると把握していたため、同日の通知になったと説明した。