飲酒関連4割占める/19年度精神保健相談件数
宮古保健所「一人で悩まないで」
2019年度に市民から宮古保健所に寄せられた精神保健(精神面における健康)の相談件数は延べ921件(人)で前年度に比べ298件増加し、うちアルコール依存症など飲酒問題に関する相談は延べ366件となり、全体の約4割を占めていることが同所のまとめで分かった。前年度の189件に比べ倍増しており、同所では「本人または家族で抱え込まずに、まずは相談してほしい」と呼び掛けている。
飲酒に関する相談件数は増加傾向で、同所は要因として①相談できる環境が整っており周知が図られている②病院や警察など関係機関との連携③アルコール依存の人たちやその家族らで構成する自助組織の取り組み-などを挙げている。
同所では「相談が多いのは改善に向けた動きにつながる」としたものの、「飲み過ぎ」である多量飲酒者も多いとみられることや、「周囲の目、職場の評価が気になる」などと消極的な人、家族だけで解決しようとするケースもあることなどから「実態はもっと多く、相談件数は氷山の一角」と話している。
宮古管内におけるアルコール関連問題に関する相談例としては「家族に暴力を振るう」「近隣とのトラブル」「毎日飲み続けているので健康が心配」などが多いという。
本人以外の家族からの相談が多く、中には県外に住む息子や娘からの相談もあり、「遠くにいて両親を心配する様子がうかがえる」(同所)。
同所地域保健班の上原由里子班長は「アルコール依存症の特徴は、本人がアルコールに依存しているということを認めないことにある」と指摘。まずは、本人にアルコール依存症であることを認めさせることが重要だとした。
宮古は以前から飲酒に寛容な風潮があることから、アルコール依存症の予備軍である多量飲酒も多いとみられている。
上原班長は「自分の飲酒量を把握することが大事」と述べ、節度ある適度な飲酒を呼び掛け。その上で「お酒で悩んでいれば、早期に客観的な意見を聞いて問題解決に向けて行動してほしい」と話している。
宮古保健所は、精神保健相談員1人、保健師2人体制で月~金曜日(祝日除く)まで相談を受け付けている。時間は午前9時~同11時30分、午後1時~同4時30分。電話番号は(72)8447。