戦闘機訓練グアム移転/日米合意
北沢防衛相、仲井真知事と会談
【那覇支社】北沢俊美防衛相は20日午前、県庁で仲井真弘多知事と会談した。米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機の一部訓練を2011年度からグアムに移転することを報告。昨年5月の日米共同発表に基づき、20日に開いた日米合同委員会で合意し防衛省は同日、合意内容を公式発表した。また、北澤氏はSACO合意案件のギンバル訓練場返還についても「全面的に推進する」と約束した。会談では米軍普天間飛行場移設問題や沖縄の基地負担軽減策について双方が意見交換した。
会談で仲井真知事は9項目からなる要望書を北澤防衛相に提出。普天間基地移設については日米共同発表を見直し、県外移設を求めることを明文化した。また、在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納飛行場以南の米軍施設・区域の返還について「パッケージ論にとらわれることなく、実現可能なものから一つ一つ確実に実行すること」-などを要望した。
北澤氏は最大事案の普天間移設問題とは別にして、「訓練とSACO合意の内容を先行的に実施したいというのが私の考えだ」と述べ、沖縄の基地問題解決に向け前向きに取り組んでいることをアピールした。
会談後、記者団の質問に答えた仲井真知事は「進められることはどんどん進めてほしい。歓迎する」としながらも、普天間移設については「日米両政府で決めても実現不可能。疑問を覚える」と述べ、パッケージ論にとらわれない基地問題解決を推進するよう強調した。
公式発表された嘉手納基地一部訓練移転の内容は、特別協定で日本側が費用負担し、1回当たり最大20機程度を最大20日間移転するというもの。