感染拡大すれば緊急事態宣言も 県専門家会議
GoToトラベルは条件付きで継続を容認 県、きょうにも方針決定
【那覇支社】医療関係者で構成する県専門家会議は28日夜、県庁で会合を開催した。新型コロナの感染が拡大すれば緊急事態宣言を再び発出する必要性があるとの意見が出される一方、政府による観光刺激策GoToトラベルについて、「感染対策を緩めることにつながらない」ことを条件に継続を容認する姿勢を示した。GoToイートに関しては、テークアウトに限定して続けるべきとの意見が出たという。
県は、専門家会議の意見を踏まえ、30日にも今後の方針を決定する。
会合は冒頭のみが公開され、会議後に県保健医療部の糸数公保健衛生統括監や同会議の委員である県立中部病院の高山義浩医師らが会見で議論の内容を説明した。糸数統括監は「GoToトラベル、旅行そのものが直接的に(感染拡大の)アクセルを踏んでいる要因、状況ではないという意見があったが、それを継続するからといって対策を緩めることにつながるのであれば問題」という意見が多かったと報告した。
また、「感染者が増えて医療が逼迫(ひっぱく)すると、また緊急事態宣言などの強い対処をしなければいけないということも視野に入って来る状態があることを、しっかりと県民に分かりやすく伝えていくべきとの意見も出た」とした。 高山医師は、「GoToトラベルを継続するのであれば条件付きで、やっぱり守っていただくことは(観光客にも)きちんと守っていただくということが必要だろうと議論があった」と述べた。
具体的な対応としては、▽症状がある人は渡航を控える▽症状がなくとも、旅行中の人混みやホテル、ショッピングモールなどではマスクを着用して手指衛生などを適切に行う▽渡航した仲間だけでの会食にする-を挙げた。
このほか、糸数統括監は、医療現場の状況として沖縄では冬場に新型コロナ以外の一般救急患者が増えることを指摘。今年も、新型コロナ以外の患者が大幅に増加しつつあるとした上で「結果的にコロナのベッドにも影響して、従来予定したような病床が確保できなくなることも、十分想定しないといういけないということもある」と述べ、危機感をあらわにした。