入館者数延べ16万4700人/市未来創造センター
コロナ禍、利用者増/開館1年「知の殿堂」定着
8月に開館1年を迎えた市未来創造センター市立図書館(上地誠賢館長)の年間入館者は延べ16万4738人だった。現・市役所平良第2庁舎を拠点としていた2018年度との実績比で4・6倍と桁違いの利用があった。貸し出した本は23万9332冊に及んでいる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で入館制限を強いられる中でも、着実に実績を伸ばしている。
未来創造センターの開館日は昨年8月17日。この月は2万2299人の入館があった。その後も1万人以上が利用する高止まりの状況が続き、新しい図書館は「知の殿堂」としてすっかり定着。多くの市民が足を運び、それぞれの過ごし方で知的欲求を満たした。
ただ、新型コロナの影響を受けて今年3月3日から利用制限が始まった。図書館は基本的に貸し出しと返却のみとなり、4月に入ると緊急事態宣言が出されて休館を余儀なくされた。
この制限で3月には開館以来初めて1カ月の入館者が1万人を割り込んだ。4~6月も同様に1万人以下だった。7月に1万3000人まで盛り返したが、市内で初めて感染が確認されると再び臨時休館に。8月は開館以来最も少ない2360人まで落ち込んだ。
一方、貸し出し冊数も入館者と同様大きく伸びた。それまで毎月1万冊前後で推移していたが、未来創造センターが開館した8月は2万冊を超え、9月はさらに伸びて2万5000冊以上を貸し出した。その後は落ち着いたが、2万冊前後で高い水準を維持してきた。
4月以降は新型コロナの感染状況に左右される形で増減を繰り返している。それでも月平均1万5000冊前後を貸し出すなど、コロナ禍の読書にいそしむ市民の多さを印象付けた。
上地館長は「新しい図書館の開館で入館者が増えたのはもちろんだが、市民が読みたい本のリクエストに応えたり、自動貸し出し機を導入したりして利用環境が向上したことも要因の一つに挙げたい」と話し、本に触れやすくなった社会環境と施設の拡充を強調した。
今後について「新型コロナで先が読めない状況が続いているが、感染防止対策を徹底し、市民の要望にも柔軟に対応しながら運営していきたい」と話した。