口蹄疫、終息に期待感/和牛改良組合上野支部
総会で10年度事業承認/6月競り開催は「検討中」
宮古和牛改良組合上野支部は25日、上野農村環境改善センターで第30回通常総会を開いた。宮崎県で拡大している口蹄疫問題で認識を共有、その上で2010年度事業計画案を承認した。上地豪一支部長は「口蹄疫の終息を待ち、一生懸命努力しよう。(子牛生産においては)基本を忠実に守ってほしい」と話し、組合員に冷静な対応を求めた。畜産農家が最も懸念する6月競りの開催について、県畜産課は「検討中」としている。
競り開催の有無をめぐり農家の不安が広がる中、競りを運営するJAに5月競りの開催自粛を求めた県の畜産課は、「早めに(6月競りに関する)結論を出したい」とし、来月5~6日に予定している沖縄本島中部での豚の競り、同13日予定の八重山での肉用牛競りを踏まえ、「名簿発送手続きなどがある」として今月中に結論を出す方針を示した。
総会の冒頭、上地支部長は「やっと子牛価格が上昇してきた矢先に宮崎で口蹄疫問題が発生した」と落胆。それでも北海道などで子牛価格が上昇していることを踏まえ「口蹄疫に関する宮古地区の取り組みは、購買者に高く評価されると確信している」と述べた。
来賓の宮古家畜保健衛生所の慶留間智厚所長、市農林水産部の平良哲則部長も口蹄疫問題に触れ、侵入防止で迅速な行動を取った生産農家を高く評価。それぞれ6月競りの開催を期待して激励した。
総会では、09年度の事業報告と決算、10年度の事業計画案や予算案、役員改選案などを審議した。
事業報告では、09年度の家畜市場取引実績が示され、上野支部の販売額は2億9500万円、子牛1頭当たりの平均価格は32万4000円だった。
10年度事業計画では▽優良雌子牛の保留推進▽優良母牛の管理保留による価格の安定▽良質粗飼料の確保による労働力の低減▽1戸1頭増頭運動の推進▽子牛適齢出荷の推進-などを重点事項に据えた。予算は123万4000円。
役員改選案では上地支部長のほか、新里仁栄、与那覇勝利の両副支部長を再任した。
最後に表彰式が行われ、子牛共進会で優秀な成績を収めた生産農家に賞状と記念品が贈呈された。09年度に子牛出荷10頭以上、1頭当たり平均価格が特に優秀と認められた農家に贈られる支部長賞は豊原の前里恵春さんと宮国の宮国千加子さんが受賞。改良組合の組織活動および肉用牛の増殖改良に精励した農家に贈られる支店長賞には高田の狩俣栄助さんが選ばれた。
10年度事業計画などを決めた和牛改良組合上野支部の通常総会=25日、上野農村環境改善センター