新構図で票読み難航/次期市長選
過去の結果分析に必死/下地、座喜味両氏後援会
来年1月の市長選(10日告示、17日投開票)に向けては、4期目を目指す現職の下地敏彦氏(74)とオール沖縄勢力と市政刷新を掲げた一部保守系の推薦を受けて出馬を表明した前県議の座喜味一幸氏(71)との一騎打ちの公算が強まっている。両氏の後援会とも、これまでにない構図の選挙戦に票読みは難航。過去の選挙結果や一部の政党が行った世論調査の結果等を分析しながら手探りの選挙戦となっている。
現職支持の「市政継続派」と保革相乗りの「市政刷新派」による市長選は初めての構図で、さらに並行して新型コロナウイルス感染防止策の徹底が求められる難しい戦術を強いられている。
過去の選挙結果を見ると、6月の県議選(宮古島市の投票率50・09%)では「市政継続派」が支持した下地康教氏が8937票を獲得しトップ当選。
一方で、今回の市長選に出馬予定の座喜味氏は敗れはしたものの予想を上回る5004票を獲得。
さらに、当選したオール沖縄勢力の國仲昌二氏は7605票を獲得していることから、県議選だけで見れば「市政刷新派」の得票数が「市政継続派」を3672票上回っている。
保革それぞれが分裂選挙となった3年前の前回市長選(投票率68・23%)で見ると、当選した現職の下地氏は9587票を獲得。故翁長雄志前知事の支持を得た奥平一夫氏は9212票で、その差は375票差だった。
敗れはしたものの「市政刷新」を求めて出馬した真栄城徳彦氏は6545票を獲得。分裂した革新勢力と保守中道が擁立した下地晃氏も4020票を獲得しており、この合計約1万500票の動きが今回市長選の勝敗のカギを握りそうだ。
前回市長選で真栄城氏の選対本部では座喜味氏が本部長を務めたほか、支持した市議らも今回選挙では「継続派」「刷新派」に分かれていることから、その票の動きが注目される。
一方、分裂した革新勢力と保守中道が獲得した4020票については、オール沖縄勢力が分裂を回避したことで、ある程度の割合が座喜味氏支持となる見込みで、「保守中道」の票はどちらに流れるのかは不透明となっている。
自民党県連、県建設業協会宮古支部など多くの支持団体からの推薦を受けた「市政継続派」は、強みである組織力を前面に押し出した選挙選を目指す。
一方の「市政刷新派」は、保革それぞれがこれまでの支持票を堅持しつつ、保守票をいかに切り崩して得票につなげるかに全力を注ぐ戦術となりそうだ。