患者急増で危機的状況/新型コロナ
宮古病院は医療崩壊寸前
新型コロナウイルス感染者の急増を受け県立宮古病院の本永英治院長は25日、会見し、「宮古病院の病床確保が逼迫(ひっぱく)している。高齢者、基礎疾患のある患者を守るために多人数の宴会などを控えてほしい」と市民に呼び掛けた。10月以降の発症患者はほとんどが宮古島在住者で模合などの宴会、家族内感染の事例が多い。現在の状況が続けば、数日中に病床確保が困難になる可能性が高いという。
宮古島市では24日に6人、25日に11人の感染が確認された。宮古病院の新型コロナの療養病床は36床で、25日時点でこの日確認された11人を含めて18床が埋まっている。うち中等症が2人、残りは軽症と無症状。ほかに3人が宿泊施設(ホテル)で療養しており、合わせると感染者は21人。25日に確認された11人はすべて感染者の濃厚接触者。
宮古島市での第1波の7月28日から9月5日までの患者数は48人、第2波の10月9日から12月25日までは107人。第2波の患者はほとんどが島内在住者で、本永院長は「接待を伴う夜の店、居酒屋での模合、宴会、ホームパーティーなどでの感染、祖父母同居、祖父母に子供を預けるなど家族・親族内感染が多い。コロナは軽症で済むという危険な考え方をしている人がいる。潜伏期間が長く、感染力が強い。無症状の期間が長く、その間に感染させてしまっている」と話した。
宮古病院には新型コロナ以外の新規入院患者が1日15人ほどいるという。本永院長は「宮古病院の医療が崩壊すれば宮古島の医療は崩壊し、多数の助かるべき命が救えなくなる」と訴えた上で▽年末年始の忘年会、新年会など多人数の宴会は控える▽各地域の成人式は中止▽帰省者は友達同士で飲み歩かない▽模合は控える▽必要のない島外旅行は避ける▽会議はズーム(ITアプリ)で─を提言した。