「投票の参考に」/立候補予定者の回答公表
地下水保全で2氏に公開質問 市長選/地下水研究会
次期市長選の立候補予定者への地下水保全に向けた提言と公開質問状について、宮古島地下水研究会(前里和洋、新城竜一、友利直樹共同代表)は26日、富名腰公民館で会見を開き、下地敏彦氏と座喜味一幸氏からの回答を公表した。前里共同代表は「次の世代に引き継ぐためにも地下水保全は大事な政策の一つ。市民には投票の参考にしてもらいたい」と呼び掛けた。
公開質問状では①現在3カ所に限定された市地下水保全条例の水道水源保全地域指定を変更し、「宮古島市全域」に広げる②市諮問機関である「市地下水審議会」に代わり、水循環基本法に基づく総合的協働管理を行う「地下水循環協議会」を設置する③環境化学物質の適正なモニタリング体制の構築と削減対策の実施を同条例に明記する-について賛成、反対、保留のいずれかとその理由を示すよう求めている。
下地氏は真意が伝わらないとしていずれも「その他」と回答。座喜味氏は①と③は「賛成」で、②は「保留」とした。
①の水道水源保全地域指定ついては、「座喜味氏からは水量・水質保持の重要性の理解が得られた」としたが、「全域に拡大するのかは曖昧。水質の保持に関する視点が不明確だ」と指摘した。
②の地下水循環協議会については、両氏とも設置の明言を避けたため、「回答を明確にすべきだ」と強調。「法律に基づいた協議会の設置が義務付けられている。市民参加型で設置することを検討していただきたい」と要望した。
③のモニタリング体制の構築などについて、下地氏が水量水質の定期的調査と農薬の調査実施を回答したが、同会は「現状と一致しない」と疑問を呈し、「測定しているのならば市民に分かるように公表すべきだ」と求めた。座喜味氏は条例への明記に賛成の回答だった。
同会は、宮古島の地下水を研究する目的で2018年に医療関係者、農業従事者、地質学および土壌肥料学の専門家を中心に設立された。
今回の公開質問への回答の詳細は、宮古島地下水研究会のホームページ(https://miyakojima-tikasui.com/)で近日中に公開される予定。