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東京五輪 出場に期待
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、1年間の延期となった東京五輪。宮古出身者では女子重量挙げの佐渡山彩奈、男子ビーチバレーの平良伸晃の2人が出場権獲得に向けて、厳しい競争の中に身を置いている。五輪に懸ける思いを2人に聞いた。
延期をチャンスに
重量挙げ強化指定選手 佐渡山 彩奈さん(26)
2020年を振り返り、「東京五輪が延期されたことを、逆にチャンスだと捉えて1年間を過ごしてきた」と前向きに語った。
昨年の緊急事態宣下の2カ月間は、三宅義行監督の自宅で練習を重ねた。コロナ禍でNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)が閉鎖され、急きょ監督が自宅リビングに練習環境を整えてくれたという。
「ほとんどの大会が約1年開催されず気持ちが下がることもあったが、東京五輪が開催されることを信じてやってきた」
東京五輪の強化指定選手に名を連ねているが、延期後の代表選手選考の基準は示されていない状況。所属するチームは3月のアジア選手権を最も重要な大会だと位置付け、大会に向けて調整を続けている。
重量挙げは肉体のみならず技術を突き詰めていく競技。現在は足腰の強化を図りながら、バーベルを上げる本数を増やし、記録の更新を目指している。
21年は勝負の年。「3月のアジア選手権で自己ベスト以上の記録を出して、ライバルである八木かなえ選手の記録を超えて、東京五輪に出場したい。すべてを出し切れるよう自信を持って試合に挑みたい」と抱負を述べた。
コロナ禍でも成長実感/ビーチバレー 平良 伸晃さん(24)
宮古高校3年生の時にインドアからビーチバレーに転身。身長181㌢。現在は静岡県に拠点を置き、活動を続けている。
昨年3月までは世界ランキングポイントを獲得するために海外の大会に参戦していたが、新型コロナで状況は一転した。ほとんどの大会が中止となり、「まさかここまでの事態になるとは想像すらできなかった」と振り返った。
しかし、五輪延期は自身にとってはプラスになると捉えている。自粛期間中は練習もできない日々が続いたが、本や動画をフル活用して身体の使い方、身体能力、プレーをレベルアップさせる研究に明け暮れた。
「シーズン中にプレーするだけでは気付けなかった事を、たくさん気付くことができた。さまざまな分野からも学べており、五輪延期の期間に自分という選手をいろいろな視点で見つめ、成長することができた」
五輪代表決定戦大会に出場するには、ランキング上位12位以内が必須条件となる。平良は12月現在で13位。大会が再開され、今後もポイント争いは激しさを極める。
2021年の抱負については「出場可能な大会で今までの成果を発揮し、良い報せを皆さんにお知らせしたい」と意気込みを語った。