「社会貢献」誓う/各地で静かに成人式
父母支援 コロナ対策徹底し
新成人を祝う集いが5日午後、各地であった。今年は新型コロナウイルスの影響で市主催の成人式が中止に。そんな中、小さく、静かに、検温や消毒などの感染防止対策を徹底した集いで新成人の巣立ちを祝う光景が各地で見られた。晴れ姿の新成人は「大人として社会に貢献したい」「将来は島のために尽くす」などと決意。式典をサポートした父母らが見守る中、大人の誓いを新たにした。
北中学校40期卒の成人式は市未来創造センターで開かれた。新成人の強い要望を受けて父母会が全面的に支援。入場制限や会場前での検温、手指の消毒、ソーシャルディスタンスの確保といった新型コロナ感染防止対策の役目を担った。
式典のプログラムは新成人自らが作った。新成人代表と父母代表あいさつ、ビデオ上映、記念写真撮影だけにした。全員がマスクを着用し、座席では友人との密着を避けて大声は出さない。飲食は禁止し、マイクも消毒。こういったルールを課して式典に臨んだ。
新成人の下地大介さんは代表あいさつで父母への感謝を冒頭に述べた。現状を踏まえ、悩み抜いた末に式典を開くという決断を下した父母を前に「北中で3年間を共に過ごした仲間と迎える成人式は、この上ない喜びです」と頭を下げた。
その上で「一人一人が自分の行動に責任を持ち、社会の一員として常に向上心を持って前進するという覚悟です」と強調。「この先どう人生を歩み、どう社会に貢献すべきかを真剣に考えていきたい」と話した。
最後に仲間に向けて「コロナで暗いニュースばかりだけど、悩み、苦しみながらも一歩一歩前進し、明るい未来を信じて突き進んでいこう」と呼び掛けた。
続いて保護者を代表して下地克三さんが「人生の節目を迎えられた皆さんを心の底から祝福したい」と感慨深げに語り、「これから皆さんは、それぞれに選んだ道を一歩一歩進んでいくことになる。支えてくれた家族や周囲への感謝を忘れずに歩もう」と激励した。
この後は新成人の決意表明が続いた。20歳を機に家族の大切さに触れた上地杏佳さんは「しっかり親孝行を続けたい」と誓った。
新型コロナで異例ずくめの成人式になったが、参加した新成人は父母のサポートを受けながら生涯一度の思い出を胸に刻んだ。