初競り、高値スタート/JA家畜市場 子牛平均71万円
JAおきなわ宮古家畜市場の2021年肉用牛初競りが19日、開かれた。子牛1頭平均価格は71万3605円の高値が付き、幸先良いスタートを切った。上場1番牛は128万8000円(税抜き)だった。畜産関係者が顔をそろえた式典では上場頭数の安定確保と高値取引による肉用牛振興を祈願。併せて販売額ベースで前年比7億3000万円減額となった20年競りからの巻き返しを誓った。
式典は午前8時50分から市場内で開かれた。今年は新型コロナウイルス感染症対策で規模を縮小し、人と人が接近する記念品の贈呈や鏡割り、初競りを祝うバンザイ等も取りやめた。
冒頭、JAおきなわの普天間朝重代表理事理事長があいさつに立ち、新型コロナの影響による前年の厳しい実績を振り返った。その上で21年競りの活況を期待し「生産農家、行政との連携を強化して肉用牛振興を推進し、農家所得の向上に取り組む」と強調した。
この後、20年の競りで1億円以上買い上げた購買者を紹介した後、下地敏彦市長、県農林水産部の長嶺豊部長(いずれも代読)がそれぞれ来賓祝辞を述べ、来場する購買者のニーズに対応した素牛生産への継続的な行政支援を約束した。
式典後に初競りがスタート。上場1番牛は下地の荷川取広明さんが所有する去勢牛で、父に「福之姫」、母の父に「安福久」という血統を持つ自慢の牛だ。
競り値はぐんぐん上昇してすぐに50万円を突破。100万円の大台を超えるころには大きな歓声と拍手、指笛で湧いた。電光掲示板に表示された最終価格は128万8000円とこの日の最高の競り値となった。
念願の1番牛の競りで128万円を付けた荷川取さんは「重圧はあったけどこれだけの値が付いて安心している。新型コロナの影響も心配していたので本当に良かった」と笑った。和牛改良組合の組合長を務めている立場を踏まえ、「生産者の高齢化という大きな課題がある。今年一年もこの課題としっかり向き合いながら肉用牛の生産振興に努めたい」と決意を話した。
20年の多額購買で表彰された購買者は次の通り。
水迫畜産(鹿児島)▽皇子原肥育牧場(宮崎)▽山口畜産(山形)▽小田畜産(鹿児島)▽浅野畜産(福岡)▽秋山畜産(静岡)▽森ファーム(鹿児島、宮崎)▽もとぶ牧場(沖縄)▽大石総本店(長崎)▽藤嶺牧場(鹿児島)