また外出自粛、市民うんざり/「残念だが仕方ない」
飲食業は売上減に悲痛な声/3回目の緊急事態宣言
新型コロナウイルス感染拡大で、19日に県が独自に発出した3回目の緊急事態宣言。20日~2月7日まで市民には不要不急の外出自粛の徹底が求められ、飲食店などでは22日から午後8時までの営業時間短縮が要請された。「残念だが仕方ない」と理解を示す一方で、「本当に効果があるのか」とうんざりする声も。飲食店経営者は「店を開けても客は入らない」。時短か休業か、売り上げ減に悲痛な声を上げている。
平良在住の主婦(25)は、那覇行きをキャンセルした。「残念だが仕方がないこと。緊急事態宣言は行動を制限している人と、していない人に分かれている。自分は子供もいるので自粛しているが、この現状では本当に効果があるのかと疑問を抱いている」と話した。
飲食店業界は多くの店舗が時短、あるいは休業せざるを得ない状況に追い込まれている。
政府が11都府県に発出した緊急事態宣言で、東京や大阪など対象地域からの観光客は減少。島内での感染者も増加傾向で市民の客足も鈍る中、県独自の宣言でさらに客足が落ち込むことが想定されている。
県や市から協力金が出るとはいえ、店舗規模によっては売り上げ分を補えない事業者も出そうだ。
午後10時までの時短営業要請に応じていたある居酒屋は、20日から休業を決めた。代表者(44)は「時短要請が午後8時になると売り上げは出ないよ」と嘆く。協力金については「規模が大きいところでは、それで足りるのかどうか疑問だ」と話した。
居酒屋のオーナー(50)は「かかってくる電話はキャンセルばかりだ。観光客も減っているし、感染拡大で市民の動きも弱い。こういう状況では店を開けても客は入らない。営業が午後8時までならなおさらで、閉めた方がいい」と諦め顔だった。
飲食店や居酒屋などと取引がある仲買人も収入減にあえいでいる。
魚介類競りを開催している宮古島漁協では「営業時間の短縮で取引は減少している。今後、漁業者の出漁回数は減ることから、生活はますます厳しくなるのではないか」との見方を示している。
空港で客待ちをしていた50代のタクシー運転手は「これまでもずっと客が少ない状態が続いているが、また緊急事態宣言が出たのでさらに厳しい状況になると思う」と収入減を懸念。「夜の飲食も時間が短縮されるので、それの影響も出る」と肩を落とした。
大型スーパーの営業時間はこれまでと変わらないが、映画館やボウリング場などの娯楽施設は午後8時までの営業を余儀なくされる。
緊急事態宣言で、県は企業にテレワークやリモート会議などによる「出勤7割減」を求めているが、宮古島商工会議所では「宮古ではテレワークなどの環境が整っておらず、導入している企業は少ないだろう」と話している。