「宮古島の発展願う」/下地市長が退任式
市職員らに最後の言葉
下地敏彦市長の退任式が22日、市役所で開かれた。部課長ら市幹部が多数参加し、市長としての最後の言葉を受け止めた。1階ロビーには職員や市民が集まり、花束や横断幕で退庁する姿を見送った。下地市長は3期12年にわたる市政運営を振り返り、「社会基盤の整備はしっかりできたと思う。宮古島がこれからますます発展することを願っている」と語った。
退任式で下地市長は、就任当時の市の財政状況を知り、「あまりのひどさに驚き、悩んだ。着実に一つ一つクリアしていく以外はない。特別な奇策があるわけではないと、丁寧にやってきた」と述べた。
葬祭場やクリーンセンター、平良港の耐震化、未来創造センター、JTAドーム宮古島などの大型事業を振り返り、整備の必要性を説いた。
大型事業を実行する際にはクリアすべき問題が多かったとして、「副市長を中心に部長、課長、職員らが真摯(しんし)に取り組み、実現してきた。皆さんの協力なしでは完成できなかった。非常に誇りに思う。この知識と経験を大いに生かしてほしい」と強調した。
今後の観光産業については「宮古は観光で生きていかねばならない。クルーズ船のバースを整備することも喫緊の課題だった。短期間で完成することができたが、使用直前で新型コロナで止まった。3月からは使える見通しとなり、宮古島の観光業が元に戻る第一歩になってくると考えている」と復活を期待した。
週明けからは座喜味一幸氏による新体制が始まる。職員には「新しい市長の下で頑張ってもらいたい。新市長を支え、未来に向かって宮古島が良くなるよう行政を進めてもらうことを切に願う。皆さんのますますの活躍を一市民として見ていきたい」と激励した。
退任式には同日、退職辞令を受け取った長濱政治副市長と宮國博教育長が参加。2人ともあいさつに立ち、集まった職員らに感謝の言葉を贈った。