「院内感染のリスク高まる」/コロナ病床が満床状態
行政に「都市封鎖似た政策」要請/本永宮古病院長
新型コロナウイルス感染が市内で拡大し、感染者の入院患者が急増している県立宮古病院は26日から一般外来を休止する。昨年4月から実施している電話診療は従来通り継続し、医師が必要と判断した場合のみ一般外来で対応する。休止は2月1日まで。救急診療は受け入れる。
きょうから一般外来休止
25日、会見した本永英治院長は入院患者の急増に一般外来の看護師を振り分けて対応していることを説明し、「院内感染のリスクが高まっている。院内感染が発生すれば宮古島の医療が崩壊する」と理解を求めた。カラオケや会食起因での感染が後を絶たないことを指摘し市民に行動の変容を求め、行政に対しては「ロックダウン(都市封鎖)のような政策を」と要請した。
宮古病院は25日昼までに36床が確保されていたがすべて埋まり、同日夕までに47床まで増やしたがほぼ満床の状態になっているという。同日午前11時時点では宮古病院に35人、宮古島徳洲会病院に4人が入院、宿泊施設で19人、高齢者施設で8人が療養していた。宮古病院では中等症23人、軽症12人、年代別では30人が61歳以上でほとんどが重症化の可能性が高い高齢者で占められている。
宮古病院では一般病床をコロナ病床に切り替え対応している。看護師も一般外来から振り分ける形でコロナ病床を増やしている。伴って26日からの一般外来の休止に踏み切った。緊急手術は行うが予定されていた手術や検査を延期する。一般外来は閉鎖し、電話診療を活用する。救急外来は通常通り。面会禁止は継続。本永院長は状況が改善しなければ「延長の可能性もある」とした。
会見で本永院長は昨年12月の感染者のうち60歳以上は1割程度だったのに対し、年明け後は約5割と高齢者が急増していることを説明。また「高齢の入院患者の急増で病棟が密の状態になり、院内感染のリスクが高まっている。医療崩壊につながる院内感染の発生を防ぎたい」と危機感を表明した。