「自粛」の必要性強調/竹井地区医師会長インタビュー
関係団体の連携強化訴え/「旧正月」「旧十六日祭」注意を
「今、島の医療は島民を守れなくなった」-。ここ数日の宮古地区における新型コロナウイルス感染急拡大を受けて、宮古地区医師会の竹井太会長は危機感を募らせている。こうした事態になった要因については一部島民の意識の低さやガードの甘さと指摘し、条件付きの「自粛」の必要性を強調した。さらに、県や宮古保健所、市、地区医師会などの関係団体の横の連携が弱かったことも改善すべき課題として指摘した。
1日当たりの新規感染者数が26日に34人、27日に33人と一気に増加した宮古の現状について「正月の人の移動、成人式、選挙があった中でガードの甘い人たちがいたことが原因。長引くコロナ禍の中で疲れもあったかもしれないが、地域としても引き締めが下手だったと個人的には思う」と話した。
今後の見通しについては「もう一つの病院、宮古島市だけの問題ではなくなった。厚労省、自衛隊を含めてあらゆる機関の手だてが必要。その動きの中で地元の私たちができることを聞いていくことになる」と説明した。
今、島民がすべきことについては「以前は、(ウイルスを)『入れない』『広げない』『近づかない』だった。すでに二つは失敗したので今、島民に残されているのは『近づかない』のみ。最後のとりではセルフロックダウンであり、自粛。もちろん、経済支援の拡充がある中でだが、条件を持った自粛を徹底すべき」と、感染拡大防止のために島民に対して責任ある行動の必要性を訴えた。
2月には12日に「旧正月」27日に「旧十六日祭」があり、人が集まる機会が控えていることについては「例年通りという考え方はやめるべき。ご先祖さまも『コロナだから集まるな』と言っているはず。あえて集まって(天国の)ご先祖さまのところに行く必要もない」と自粛を呼び掛けた。
そのほか、これまでのコロナ対策については「正直、関係機関の横の連携がしっかりできていなかった。宮古における組織の在り方が『災害』ではなく、『疾病』だった。明らかに『災害』であり横のつながりが必要だった。今回、新しい市長が誕生したので新市政ではこれまでの課題を改善する対策を講じてほしい」と連携強化を呼び掛けた。