人通りなくひっそり/新型コロナ
商店街は「臨時休業」/飲食店、テークアウト頼み
新型コロナウイルスの急激な感染拡大の影響で、市内で土産品店や飲食店が集中する市街地は人通りがほとんどなくなり異様な雰囲気となっている。施設も多くが閉鎖されており、島内がロックダウン(都市封鎖)のような状態になり市民に不安が広がっている。
市平良の西里、市場、下里の3通りは土産品店や飲食店が多くある地域だが、県の緊急事態宣言が出されて以降、人通りが激減。シャッターを下ろし「臨時休業」の張り紙が目立つ。ほとんどの店舗が時短営業に応じている。午後8時を過ぎると通りは店舗の明かりが消え、街灯のみの暗さに。通常なら週末は観光客や地元客でにぎわうが、市が独自の緊急事態宣言を出していることもあり、30日も人通りはなかった。
時短営業などにより客足が遠のいている飲食店は、弁当販売やテークアウトにシフトし、急場をしのごうと必死だ。30日夕、西里通りで弁当を販売していたダーツバーの店員は「深夜営業だった店も午後8時までになった。弁当販売をきょう(30日)から始めた。午前11時から午後5時までは販売するつもり。始めたばかりで、どうなるか分からないが、宣言が出ている間はやると思う」と話した。
店舗前で弁当を並べていた居酒屋アルバイトの女性は「系列3店舗を休業し、テークアウトだけになった。アルバイトを掛け持ちしているけど、二つとも休業。本当にダブルパンチ」と嘆いた。一緒にいたホテルの部屋の清掃をしているという女性も「ホテルも部屋が動かなくなり、仕事に入れない。収入が減り、生活できない。アパートの家賃が払えない」と相づちを打った。
通りは日中もほとんど閑散としている。土産品店の男性は「営業を迷ったが、客との接触が短時間なのでいいのかと思って開けている」と話したが、この日の来客は4、5人だったという。「売り上げは昨年の半分以下になっている」と客がいない店内を見つめた。
島内では観光客が多く利用するレンタカーの数も激減している。観光地も人影がほとんどない。下地与那覇の前浜も地元の高校生と見られる若者がちらほら。海浜広場施設は閉鎖されていて、入り口道路は通行止めとなっている。