コロナ禍、静かな旧正月/「来年は盛大に」大漁旗に願い
佐良浜、池間島
旧暦1月1日に当たる「旧正月」の12日、新型コロナウイルス感染拡大防止が叫ばれる中、例年は盛大に祝う佐良浜や平良の池間島などでは静かな旧正月となった。前日の風雨から一転し、港では風を受けた大漁旗が力強くはためいたが、その数は少なく佐良浜漁港にいた漁師からは「自粛の旧正月は寂しいね」との声が聞かれた。
毎年、多くの漁師宅では、盛大に祝宴が開かれ友人や親戚らが、祝い酒を酌み交わしながら交流を深めるが、今年は県独自の緊急事態宣言下での旧正月となり、漁師たちには各漁協から自粛が呼び掛けられた。
12日の朝から短い時間だけ漁師仲間と過ごしたという漁師は「コロナが収まらないと普段通りとはならないよ。今回は大漁旗をかかげる船も少ないから寂しいよ。来年は盛大に祝いたいね」と話した。
伊良部島内のスーパーに話を聞くと「オードブルや旧正月関連の商品の売り上げは例年に比べれば少ない。みんな自粛モードだと思う」と話した。
佐良浜地区の路地を料理と飲み物を持って仏壇のある本家に向かっていた夫婦は「今年は島外からも誰も帰ってこないし、静かな旧正月。私たちも仏壇に線香を上げて、それが燃え尽きたら帰る予定だよ」と残念そうに話した。