香港に黒糖輸出へ/宮糖多良間工場
商社と商談まとまる
【多良間】多良間島産黒糖の輸出商談と工場視察のため26日、香港の商社から3人のバイヤーが宮古製糖多良間工場を訪れた。商談はほぼまとまり、3月ごろから県内で初めて、県産黒糖が輸出される見通しとなった。
香港から訪れたのは商社「樂天然」のバイヤー、アンディ・マクさんら3人と製糖業者「太古シュガー」のベニー・PH・ウォンさん。県物産公社の与那覇義隆さんが同行した。
商談には宮古製糖の奥平政彦専務と仲間時次工場長が同席した。
バイヤーらは、一口黒糖の輸出を要望。「(添加物を含まない安全・安心な)純黒糖として扱いたい」と話したという。輸出の時期については「3月ごろ、受け入れ数量を提示する」とめどを示した。
多良間産黒糖は県黒砂糖工業会と、県物産公社を通して輸出される。
多良間工場の年間生産量は約3500㌧で、このうち一口黒糖に回している割合は5%程度。宮糖は今回の輸出を契機に、10%まで増やせるよう設備を拡充したいとしている。
仲間工場長は「これまでの販路は、国内に限られていた。今回の輸出商談で、新しい展望が開けつつある」と喜びを語った。
多良間産黒糖の輸出は、香港で昨年開催された沖縄フェアーにおける同黒糖の紹介がきっかけとなった。
県内の黒糖工場は、輸入黒糖や加工糖の増加から、在庫を抱える状況にある。このため、国内だけでなく外国への販路拡大も求められていた。