経営改善「道半ば」/県立病院
委員会 上原副知事に結果報告
【那覇支社】県立病院の経営再建状況を検査している「県立病院の経営再建検証委員会」(委員長・宮里善博公認会計士)は27日午前、検証結果報告書を上原良幸副知事に提出した。同委員会の報告によると、経営健全化の達成に向けた礎を築くことができたと評価する一方、経営改善への取り組みは「道半ば」であると判断。2009年度の成果だけで評価することは尚早だとし、引き続き検証を実施する必要があると伝えた。
県立病院をめぐっては2009年3月に県医療審議会「県立病院のあり方検討部会」(宮城信雄部会長)が基本構想をまとめ、仲井真弘多知事宛て答申した。
その中で、現在の県立運営を独立行政法人化(独法化)することが盛り込まれたため、県民、県議会、宮古病院を含む県立病院職員などから強い反発の声が上がり、知事判断で性急な独法化を見送り経営再建計画、改革プランに基づく健全化を進めながら、09年度から11年度までの改善状況を見て判断することになった。
これにより検証委員会が設けられたが、09年結果報告では、同再建計画に示された「不良債務の解消」「資金不足の解消」「経常収支の黒字化」の三つの目標はいずれも達成しており、「病院事業は危機的な経営状況から脱し、経営改善の実現に向けて着実に一歩を踏み出せた」と評価。
一方で、改革プランで示された病床利用率や入院・外来患者数において目標を達成できなかったことなどを指摘し、「患者数の増加策等、引き続き経営全般にわたる改革に取り組む必要がある」とし、単年度判断ではなく継続の必要性を報告した。
報告を受けた上原副知事は「検討委員会で厳しくチェックすることによって改善できるものもあると思う」と述べ、検証結果を尊重する趣旨を伝えた。