副市長人事案を否決/市議会本会議
野党の反対多数で/市長、伊川氏再提案に含み
市議会3月定例会は25日、最終本会議が開かれ、座喜味一幸市長が提案していた副市長を県会計管理者の伊川秀樹氏(60)とする人事案を賛成5、反対18で否決した。反対した野党は「伊川氏が宮古島に住んでおらず、島内を熟知していない」「本人のことをよく知らない」などを理由に挙げた。本会議終了後、座喜味市長は「残念」としたが、調整後、伊川氏を再提案することに含みを持たせた。
座喜味市長の側近人事案は2月臨時議会での大城裕子教育長に次いで2人目。大城教育長は与野党全会一致で可決された。座喜味市長は伊川氏を副市長とする人事案を3月定例会に追加議案として提案した。
伊川氏は1960年生まれ。宮古高校から琉球大学に進み、85年に県職員に。初任地は宮古福祉事務所で、総務部財政課歳入予算係長、2009年には宮古島市に財政課長として出向した。以降、子ども生活福祉部生活企画統括監などを経て、18年から会計管理者。3月末に定年を迎える。
反対した野党の我如古三雄氏は「本人がほとんど宮古島に居住していない。宮古島全体の実情をどれくらい把握しているのか、理解しているのか。本市の実情を熟知していなければ大変厳しいことは言うまでもない。副市長は市長を支える大きな力がなければならないのは明白。あえて島外から呼ぶよりも適任者は地元にもいる」、粟国恒広氏は「伊川氏は宮古島市での行政経験があるが、その他については現段階で詳細を把握することができない。就任を急ぐ姿勢にしか捉えられない。伊川氏の行政経験は認めるが、高校卒業以来、島内に住んだ期間は短く、この10年間は仕事上の関わりも少なかった。コロナ禍で、喫緊の課題がある中、伊川氏が手腕を発揮できるか、丁寧な説明が必要。本人をよく知らないので今後、伊川氏を交え、意見を聞く場を設けることを要望する。今議会では反対する」とそれぞれ討論した。
閉会後、座喜味市長は「残念。副市長、教育長を早く任命して市民サービスを向上させてくれという議員からの要望もあった。良い人材をということで提案した。しばらく宮古を空けていたという(反対)理由がある。伊川さんは能力的にも人格的にも経歴的にも何ら異論はないという思いがある。宮古に居なかった空白を埋めて再提案ということになるだろう」と話した。再提案の時期については「6月定例会か、もっと早くなるかも。調整したい」と話した。