宮古病院「医療危機迫っている」新型コロナ
きょうから診療制限/「変異型」侵入への懸念も
宮古島市における新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、県立宮古病院の本永英治院長が19日に緊急会見を開き、「1月の爆発時と同様、医療危機が迫っている」と強調した。感染者の増加で20日から診療制限に入るという。今の感染状況は「広がりの速度が速すぎる」という見方を示して変異型の侵入を懸念。「爆発的流行の可能性の恐れもある」と述べ、広く市民に多人数での模合や会食の自粛および感染予防対策を徹底するよう呼び掛けた。
緊急会見は病院内で開かれた。本永院長は冒頭「4月15日ごろから患者が急増している。今回は変異株ウイルスによる爆発的流行の可能性を秘めている」として強い危機感を示した。
現状の感染拡大を「第4波」と表現し、これを裏付ける数字として11日から18日の1週間で45人の陽性者が出ていることを挙げた。
感染経路としては「半数が飲食街、夜の街関係で残りは家庭内と思われる」とした。陽性者が複数の店舗を飲み歩いて感染を広げてしまうスーパースプレッダーの存在なども指摘した。
本永院長は、4月12日以降に高くなっている検査陽性率にも触れ、「感染力が強いウイルス(変異型)の可能性が高まっているのではないか」と見立てる。変異型の侵入を前提とした場合は「今のような生活パターンでは対応できない。市民は危機意識を持ち、みんなで協力して自粛するときは自粛し、コロナから宮古島を守ってほしい」と強く訴え、医療危機を招かないよう理解と協力を求めた。
宮古病院のコロナ対応病床は19日現在40床で、同日午後5時現在で19人が入院している。こういった状況を踏まえて20日から一部の診療を制限する。具体的には、予定していた手術や内視鏡および心臓カテーテルの予定検査などを可能な限り延期するという。