「島のロックダウン必要」/竹井地区医師会長
新型コロナ 変異株拡大で警鐘
宮古島市が新型コロナウイルスに係るまん延防止等重点措置の対象地域に追加されるなど、1月末の感染者急拡大以来、厳しい状況に追い込まれている。この現状を受け、宮古地区医師会の竹井太会長は「変異株が島に入り込んで増えている今の方が1月よりも危機的状況。感染が拡大している都市部からの人流も、もう止めないといけない状況だと思う」と警鐘を鳴らした。
現在の島の状況について竹井会長は「1月後半の時は短期間で感染者が急増した。今回は当時よりも長い期間でゆっくり拡大し続け、感染者や濃厚接触者の裾野が広がっている。それに加え、感染力の強い変異株が増えているのが前回とは全然違う状況」と話し危機感を募らせる。
変異株が一気に広がって感染者が急増している大阪や、同様に変異株が広がり始めている東京からも多くの観光客が直行便などを利用して島に訪れていることにも不安を抱く。
「今、島としては個々人のセルフロックダウン(自主的に外出を控えて家に籠もること)に加えて、島外からの入域を抑えるアイランドロックダウンも必要。ここでいったん、島の社会が立ち止まって対応しないと、先が見えない状況が長期化するかもしれない」と話した。
そのほかにも、新型コロナから島民を守るために日々奮闘している医療従事者への影響も懸念する。
「1月末の感染急拡大時に厳しい状況に追い込まれたのが高齢者施設利用者と医療、介護従事者だった」と強調。コロナ禍、国内でも多くの医師や看護師が辞めている状況を指摘した上で「医療環境は『人』で成り立っている。大変な状況に耐え続けることは厳しい。ケアする人たちは確実に減っていることを理解する必要がある」と訴えた。