がん検診 受診率が大幅低下/市20年度
コロナで集団健診中止影響/市「個別」受診呼び掛け
市の2020年度におけるがん検診の受診率は検診5種(胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸(けい)がん)すべてで前年度を大幅に下回ったことが市健康増進課のまとめで分かった。新型コロナウイルス感染拡大による集団健診の中止が要因。今年度は10月末に集団健診を予定しているが、新型コロナの状況によっては2年連続で中止の可能性もある。市健康増進課では、7月からスタートする民間医療機関などで実施する個別健診での積極的な受診を呼び掛けている。
同課のまとめによると、20年度における市のがん検診の受診率は、40歳以上の対象者1万9778人に対して、肺がんの受診者は581人となり、受診率は2・9%。前年度の11・0%から大幅に落ち込んだ。
胃がんも受診者数は279人で受診率は1・4%。前年度の3・5%から大きく落ち込んでいる。
大腸がんは、受診者が428人となり、受診率は2・2%。前年度の8・5%からこちらも大きく落ちんだ。
歳以下(対象人数4477人)では、肺がんが0・8%(前年度4・6%)。胃がんは0・6%(同1・6%)。大腸がんも1・0%(同3・7%)とそれぞれ大幅に落ち込んでいる。
そのほか、婦人検診は今年1月に集団検診が行われたが、期間中に島内で一気に新型コロナの感染者が急増したことを受けて途中で中止となった。
その影響で乳がん検診の超音波が対象4311人に対して受診者数は723人となり受診率は16・8%。前年度の27・3%から大きく落ち込んだ。
マンモグラフィーは、対象1万322人に対して受診者数は615人で受診率は18・3%。前年度の25・4%からこちらも大きく落ち込んでいる。
さらに、子宮頸がん検診も対象1万2503人に対して受診者数1565人となり受診率は28・2%。前年度の33・9%から落ち込んでいる。
同課では「昨年度は集団健診がすべて中止になったり、途中で中止になったことが大きく影響している。今年度は集団健診の実施を予定しているが、新型コロナ次第では中止になる可能性もあるので7月からの個別検診でも積極的に受診してほしい」と呼び掛けた。
さらに「過去の検診で早期にがんが発見されたケースも多く、早期に発見できれば、しっかり治療することもできる。コロナ禍で大変な時期だが、自分の健康、命を守るためにもぜひ、検診を受けてほしい」と求めた。