購買者の旅費を助成/市が口蹄疫で支援策
競り再開前提/62人に案内文送付
宮崎県で被害が広 がっている口蹄(こうてい)疫問題で、宮古島市の下地敏彦市長は26日、6月の肉用牛競り市再開を前提に、島外から参加した購買者に対し旅費の一部を助成 すると発表した。下地市長は「良い牛を生産しても購買者が来なければどうすることもできない」と述べ、畜産農家に対する支援策の一環であることを強調し た。JAおきなわ宮古地区本部では、6月期競り市の開設に向け準備を進めている。
旅費の一部助成 は、まずは2009年度に宮古島の競り市に参加した全国の購買者62人とし、同日付で文書を送付した。口蹄疫発生地の宮崎県には送付しない。
参加する購買者の旅費は、県外が一律5万円、県内は3万円をそれぞれ市が負担する。購買者が牛を買う、買わないを問わず競り市に参加すれば支払われる。
送付した文書では「畜産農家は5月競り市の中止で生産意欲が減退し、今後の経営に自信を失いかけている」と現状を説明。「農家に光明があるとすれば購買者 の皆さまが競り市へ足を運び、生産農家を激励していただくこと。このことがどんなに勇気づけになるか、これ以上のことはないと思う」と訴えている。
会見で下地市長は、宮古地域でも侵入防止協議会を設置し、全畜舎の一斉消毒や消石灰(消毒液)による消毒、踏み込み槽の設置など防疫体制に力を入れている ことなどを説明。その上で「こういう状況(宮崎県で被害が広がっている問題)で購買者に来ていただけるかどうか懸念している。買ってくれる人をまず宮古島 に呼ぶ。ぜひ宮古島に来て牛を買ってほしい」と呼び掛けた。
旅費の一部助成についての文書の送付先は、山形県や茨城県、静岡県、愛媛県、熊本 県、鹿児島県などの各購買者となっている。