PCR無料検査を拡充/市コロナ対策
飲食店員750人分対象/安全策と「無症状」把握へ
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、市が飲食店従業員を対象に無料PCR検査を実施する方針で調整を進めている。予算は750人分で、希望者は1人3回受けられる。若い世代に多い無症状のコロナ感染者を把握しながら従業員の安全を確保することが狙い。感染予防品の配布や巡回指導も行う。検査の実施時期は関係機関の意見を取り入れながら慎重に見極めていくが、6月には始めたい方針だ。市が11日の会見で明らかにした。
市によると、飲食店従業員へのPCR検査は県がすでに実施している。今月8~10日の3日間で約100人を検査しており、まもなく結果が出る見通しだ。
業種を絞ったピンポイント検査では、若い世代で多く見られる無症状の人が感染を広げてしまうというリスクの排除を狙う。感染者を早急に見つけて感染の広がりを抑え込む。4月以降の感染源の多くが飲食関係という実態を踏まえた。
市は当初、ゴールデンウイーク(GW)前に実施する計画だったが、保健所や病院との調整でいったん棚上げしていた。今回、GW終了後の感染拡大が懸念されるとして再び実行に移す方向性を打ち出した。
座喜味一幸市長は「市として、モニタリングの意味を含めてPCR検査を進めていきたい。県の検査終了後も重点的に行いたい」と市の方針を明かした。
同席した友利克生活環境部長は「市としては引き続き県に実施してほしいと考えるが、これが難しいということであれば、市として実施する方向で検討を進めている」と述べた。検査の実施時期については、保健所や宮古病院の意見を取り入れながら慎重に見極める方針を示したが、「6月からは始めたい」とした。